映画化に備えて「ドライブ・マイ・カー」再読

村上春樹作品の映画化といえば、個人的には「風の歌を聴け」「トニー滝谷」「ノルウェイの森」「ハナレイ・ベイ」以来の「ドライブ・マイ・カー」(8月20日公開)。数年ぶりに読み返してみました。

映画で、劇中劇としてチェーホフの作品が取り上げられると聞いて、「へえー映画ではそんなオリジナル要素が」と思っていたら、原作にもありました。忘れていました。

高槻が、他人の心は覗けないが、自分の心は努力すればしただけ覗き込めると言って、続ける次の台詞もいいですね。これもまったく覚えていませんでしたが。

本当に他人を見たいと望むのなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。

『女のいない男たち』単行本p.54

作中に古典的名作のタイトルを挙げたりするのって、19世紀から20世紀初頭の欧米の児童文学によくある例で、村上作品もこの伝統を引き継いでいます。「ぶっつける」は宮沢賢治を継承していると勝手に思っています。

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