個人で、高額の設備投資を要する事業(不動産賃貸業など)を行う場合、お金を払っても、すぐに経費にならない減価償却資産と、経費になるものを区別することが重要です。
基本的には、すぐに経費になるものを増やしたほうが、納税が減り、投資の回収が早くなるからです。
個人の不動産賃貸業は、ルールがかっちり決まっているので、ルールを抑えていきましょう。

登録免許税と登録費用
資産の取得に関連して、登録免許税や、司法書士報酬や代行費用などの登録費用がかかることがあります。
個人と法人で、ルールが違うので注意が必要です。
(法人で経理経験がある方は特に)
「税・利子・登録」の費用は、資産(取得価額)にしなくていい、と聞いたことがあるかもしれません。
「税理士登録」と覚える、と言われたりするものです。
ただ、これは法人の話です。
※ここの「税」には、消費税は含まれません。税込経理(免税事業者)の場合で資産になるものにかかった消費税は、資産になります。
個人の場合は、特許権などの登録費用は、資産になります。
登録しないと、権利が生まれないからです。
登録する航空機・船舶・自動車の登録費用は、法人と同じく、経費か資産か、選べます。
回収を早めるという意味では、経費にするのがおすすめです。
(ただ、不動産所得が赤字で、土地の借入利子損益通算に制限がかかるなら、赤字を避けるため資産にするという手もあります)
それ以外、土地・家屋の所有権保存登記・抵当権設定登記のための費用(登録免許税、士業などによる代行費用)は、経費です。
ここが、法人と違うところです。法人は、経費(損金)か資産が選べますが、個人は選べません。
不動産取得税・固定資産税も同様です。
また、自動車税環境性能割、自動車重量税も、経費です。
設備投資のための借入金の利息
借入金の利子は、資産になるか、経費になるかは、個人事業主の状況によって分かれます。
不動産賃貸業をやったことがない人が、初めて収益物件を購入し、そのためにローンを組んだ場合は、その利子は、資産です。
不動産所得の開業届を出した場合、その利子は、収益物件の取得価額に入れるということです。
この場合は、ローンを組むための抵当権設定費用、ローンの担保となる保険料といった諸経費も、資産になります。
これに対し、すでに不動産賃貸業を行っている人が、新規の物件を購入し、そのために利息を支払った場合、賃貸事業を開始するまでの利息部分については、経費か資産か、選べます。
この場合の利息は、新規不動産部門の開始の初期投資(資産)と見てもよく、不動産賃貸業という事業を継続するため、資金繰り改善のための費用と見てもよいのです。
特に事情がなければ、これも経費にできるものは経費に、の方針でよいでしょう。
生活用の固定資産にかかる登録免許税等
賃貸併用住宅のように、オーナーと店子が同じ建物に住む場合もあります。
この場合、この建物や土地にかかる登録免許税・不動産取得税・司法書士報酬は、資産になります。
将来、物件を売却する時の譲渡所得の計算上、取得費として、遅れて経費になるのです。
賃貸併用住宅は、賃貸用・生活用と合わせた金額で資産計上し、それをベースに全体の減価償却費を計算し、賃貸割合を掛けた金額を必要経費に算入します。
なお、青色申告決算書上の未償却残高は、賃貸用・生活用を合わせた全体の資産計上額-全体の減価償却費となります。
高額の設備投資をした年は、経理がかなり煩雑になります。
その事務を行う時間と心の余裕を取っておくようにしましょう。
近況報告
結婚記念日だったので、バローの鮮魚コーナーでおいしいお寿司と、ベーカリーコーナーでパンを買って、夕食に食べました。
朝食は、スズノキベーカリーの食パンを。こういう日には、いいパンを食べるようにしています。
1日1新:スーパーマーケットバロー 横浜下永谷店
1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細