現状の GnuCash の運用状況

月初1日に前月までの家計簿が確定します。5月の仕訳数は138。

まず、Power Automateでネットバンキングから、前月分を指定して取引履歴をダウンロード。前月分の選択ができない金融機関は手作業で。カード会社の確定分の取引履歴もRPAでダウンロード。

日々入力している現金出納帳から前月分をCSV化して、RPA+手動で蓄積していたSUICAの前月分もCSV化。

預金・カードCSVファイルの各行に勘定科目を付します。カード履歴はメールや販売サイトと照合して内容を入力。しかしこれは手間ですね。

CSVによっては円マークの付いている金額を Ctrl+Shift+1で書式変換。日付は、yyyy/mm/ddだけでなく、yyyy.mm.ddでもインポートできるのでそのままに。

現金、SUICA、預金、カードのCSVを読み込ませて、読込済フォルダに放り込んでいく。各B/S残高を元データと突き合せれば終わり。

Excel のオートコンプリート機能を生かした勘定科目体系を作成する

これまで GnuCash の勘定科目体系は、デフォルトのものを使っていましたが、仕訳の入力を CSV 読込オンリーとしたことで、いろいろ不満が出てきました。Excel 上で勘定科目を入力することが多いのですが、この体系では

  • 医療費 いり
  • 衣料品 いり
  • 交通機関 こう
  • 公共料金 こう
  • 書籍 しょ
  • 消耗品 しょ
  • 食費 しょ

と、書き出しが同じ科目が多く、オートコンプリート機能を生かせていませんでした。そこで、

  • 医療費 いり
  • 教育費 きょ
  • 月給 げっ
  • 研修 けん
  • 交通費 こう
  • 雑費 ざっ
  • 趣味 しゅ
  • 水道光熱費 すい
  • 接待等 せっ
  • 贈与収入 ぞう
  • その他の収入 その
  • 通信費 つう
  • 日用品 にち
  • 配当収入 はい
  • 備品 びひ
  • ボーナス ぼー
  • ランチ等 らん
  • 利子収入 りし

という科目体系を作成し、入力効率アップを狙いました。これで、1 文字目を入力しただけで科目が自動入力できます。キータッチは 2 回のみ! 4 桁のコードを入力させるより速いです。

9月のこづかい帳を GnuCash でつけ終わる

  • 現金出納帳
  • ネットバンキング
  • SUICA
  • クレジットカード利用明細(翌月引き落とし確定分)

これらを例によって CSV インポートしました。読み込むファイルが多いので、取り込み忘れがないか、管理する必要がありますね。なお、信金と、取引が1件しかないネットバンクは手入力しています。

前に紹介した GnuCash の新PCへの引継ぎ法では、CSV インポート時の設定が引き継がれなかったようです。のちほど正しい方法を研究してみます。

現金出納帳のポイントは、クオカードをもらったときは、現金/その他の収入 で入力し、現金実査時もクオカードを含めて集計することですね。そうしないと、差が出てしまいます。

現金実査は、Excel で紙幣・硬貨・クオカードごとの枚数を入力して、自動計算で金額を算出し、現金出納帳残高との差額で現金過不足を求めます。自販機とか、ゲーセン代とか、ランチとか、レシートのない支出に要注意です。

GnuCash のデータを新PCに引っ越す方法

( Windows 版)

新しいパソコンに、前のパソコンのデータを移行したい。これは意外に簡単です。

まず、現在の PC で展開している [任意の名前].gnucash* となっているファイルを、新しい PC の任意のフォルダにすべてコピーします。

次に、新しい PC に GnuCash をインストールします。設定は何もしないで OK です。

最後に、新しい PC の [任意の名前].gnucash ファイルをダブルクリックして GnuCash を起動。

これで、新しい PC への移行作業が完了しました。以後は、いつもどおりショートカットから GnuCash を起動するだけです。未インポートの CSV ファイルも忘れずに引っ越しさせましょう。

GnuCash の効率的な運用方法

GnuCash での仕訳の手入力は避けます。金額入力欄でも FEP(IME) が有効になってしまい、かなと英数の切替えが手間だからです。そこで、原則 CSV で入力するようにします。

月末まで CSV を貯めていき、月末に一気にインポートします。家計簿なら、いますぐの現状はわからなくても、支障はないと思います。

現金は、現金出納帳をクラウドに置いてこまめに入力します。SUICA は、20 件しか履歴が残らないので、週 1 でカードリーダーに置いて CSV を蓄積しておきます。手入力するのは、ネットバンクでなく、取引が少ない口座だけにしておきます。

現金と預金、どちらかの CSV をインポートした後に他方をインポートすれば、日付・金額が一致する仕訳の自動排除が機能するので、預金引出しによる二重仕訳は発生しません。インポート後は、相手科目が正しいか、きちんと確認しましょう。

自動判定の二重仕訳排除

GnuCash に CSV を食べさせる順番

SUICAのオートチャージ時にはクレジットカード勘定(負債、以下「カード」)を動かしません。

  • オートチャージ時の仕訳 (借)交通機関 (貸)二重仕訳
  • カードCSVインポート時の仕訳 (借)二重仕訳 (貸)カード

これで、カード残高が常に確定済みの来月引落額と同額になります。カード残高をカードCSVファイルと突合して確認もできます。

インポート順

翌月、カード引落し口座のネットバンクCSVをインポートし、(借)カード (貸)普通預金 により、カード残高が0になっていることを確認します。

次に、来月引落しの確定カードCSVをインポートします。これで、カード残高が翌月に引き落とされる予定の金額と同額になります。

オートチャージによる二重仕訳勘定(資産マイナス残)はカードCSVの読み込みで、0に近づきます。再来月引落しの未確定カード情報に、ちょうどそのマイナス残高が0になるようなオートチャージ額があるはずです。

GnuCash に現金出納帳 CSV を食べさせる

現金払いはまだまだあるものです。子供の月謝、保育園の食費、学校関係など集金袋で行うもの、医療費などです。SUICA が使えない自販機もあります。

現金払いには当然、ダウンロードできる CSV ファイルはありません。GnuCash は、決して入力しやすいソフトではないので、手入力はけっこう面倒です。

そこで、Excel で現金出納帳を作って、クラウドに保存して、いつでもどこでも現金払いを入力しておきましょう。レシートがないこともありますしね。それに現金出納帳だけなら、万一流出しても大したことはありません。

日付、入金、出金、残高、説明、勘定科目 の列を作っておきます。説明→ GnuCash 勘定科目の対応を取ってもいいのですが、Excel で勘定科目まで入力しておき、勘定科目→ GnuCash 勘定科目の対応を取った方が速いです。

CSV の取引インポートの設定を行い、保存するのを忘れずに。

GnuCash でクレジットカード、預金、現金を管理する方法

GnuCash 利用のポイントは、クレジットカードと預金、現金の経理方針をどうするかにあります。

理想は、カードでの買い物のつど (借)費用 (貸)クレジットカード を入力すべきですが、これだと CSV インポート機能が生かせません。

そこで、カード払いについては、引落額が確定した時点でインポートを行います。カード勘定の月末残高が、翌月の引き落とし額になっていれば OK です。

オートチャージ時には、(借)SUICA (貸)二重仕訳 とし、カードのインポート時に (借)二重仕訳 (貸)クレジットカード とすれば、日々カード勘定の残高を動かさずに済み、分かりやすいです。

預金から現金を引き出したときは、(借)現金 (貸)預金 の仕訳を入力します。預金の CSV をインポートする際、日付と金額が一致するこの仕訳を GnuCash が自動で検出して、二重仕訳にならないように処理してくれるからです。

GnuCash のエクスポート CSV から推移表を作る (3)

前回のつづき。月別推移表できました? これは、Excel でこづかい帳を作るのと同じ方法です。

総計がプラスのとき、損失(赤字)

GnuCash では、内部的に、貸方残高の勘定(負債・純資産・収益)はマイナス数値で表現されています。CSV 上は、収益がマイナスで、費用がプラスで表示されます。

したがって、Excel で推移表を作ると、総計の金額は、プラスのときが赤字、マイナスのときが黒字となっています。そこが直感に反するところですが、「自分だけが分かればいい」と思って使っていただければと思います。

最後に、ピボットテーブルの右下の総計(最終値)の正負を反転したものが、GnuCash の勘定科目タブの右下「利益」と一致していることを確認してください。GnuCash の優れているところは、一目で純資産と利益が見えるところです。複式簿記は財産ともうけを計算するシステムなので、正しい表示だと思います。

GnuCash のエクスポート CSV から推移表を作る (2)

前回のつづき。前回は推移表を作る下準備でした。月別推移表を作るには、全行に日付が入力された表が必要です。RDB の専門用語で正規化といいます。

Excel で隣に新しいシートを作り、 Alt → N → V でピボットテーブルを起動、元のテーブルを選択します。前回作ったテーブルを前提とすると、Σ 値に「金額数値」、列に「アクション」、行に「摘要」「勘定科目名」で2階層を設定します。

下の画像になるようにピボットテーブルの設定を行います。

ピボットテーブルの設定

左画像のように月別推移表にならなければ、日付を右クリック→グループ化で下画像のように「月」を選択。

推移表の場合、収益と費用だけを表示したほうが見やすいので、それ以外の科目分類が表示されないようにします。

あとは、ピボットテーブル内の勘定科目の行は、単純な文字コード順になっているので、行をドラッグして任意の並び順に並べ替えます。案外簡単です。