2022年の趣味を振り返る

餓狼MOWの続編発表

すべては、餓狼MOW2の発表から始まった、というのが2022年、私の趣味世界でした。

発表当日は「餓狼」がツイッタートレンド2位を獲得。そこから即、Steam版の餓狼MOW・ゲーミングディスプレイ・ファイティングスティックαを購入しました。

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続編発表でプレイヤーが増えるかなと思いましたが、まったくそんなことはなかったですね。

1人プレイをする人も少ないみたいで、個人記録ではSTORY 13位(ハイスコア)、SURVIVAL 19位(タイムアタック)、テリー・ボガード96位(対人戦勝利数65)となりました。

その後、MOW2の続報もなく。2023年3月31日のEVO Japan 2023でおひろめされるのかなと思っています。

サムライスピリッツ ネオジオコレクション

Steam リプレイ 2022

Steamのリプレイ表示というのが始まったみたいです。プレイ時間ではサムコレのほうが多いですね。

真サムは11/28勝(ランク外、スコア85、クラス十)、斬サムは68/127勝(ランク22、スコア490、クラス七)。

どちらも、大会動画などを見て、いままでやってなかった動きを取り入れたりしています。

漫画・映画

『ハイスコアガールDASH』『バーナード嬢曰く。』『新九郎、奔る!』(2023年1月12日12巻発売)『正直不動産』(2022年12月28日16巻発売)をフォローしています。

『DASH』は、小春の「ハルオに勉強を教える」という要素が拡張されて、「教師になる」という方向性に行くのだなあ(1巻で、生徒から「なんで教師になったの?」と聞かれていますね)と気づいて、震えております。

あと、「すずめの戸締まり」。RADWINPSの音楽が映画に占める割合が、「君の名は。」が4割、「天気の子」が2割、「すずめ」が1割程度に低下傾向で、むしろそれでよいと思います。

SPRING VALLEY シルクエール<白>感想

キリンの缶クラフトビールシリーズ、第2弾シルクエール<白>。不透明感のある白っぽい色が特徴です。

第1弾(豊潤<496>)は、どこがクラフトビールなのかわからない、舌にぺたっと付く不思議な食感の変わり種ビールで、1回しか飲んでませんが、第2弾はけっこうおいしいです。

公式サイトでは、苦み3、重さ2、甘さ2、酸味3、香り4(各5段階)の味とされています。 

が、自分が飲んだ感じでは、苦みはほとんどなく、舌に残る感じは弱まって継続、むしろ、「おいしい甘味」を感じる飲みやすいビールと思います。プレモルみたいな甘味ではなく。

「クラフトビール」と聞いてイメージする味。クラフトビール専門の居酒屋で飲むフルーティーなやつです。

個人的には20代後半まで、ビールは毒のように苦くて飲めないと思っていたのですが、当時の私でもこれなら飲めたなと思います。

「一番搾り」は、最近頻繁に味が変わるので、これに切り替えようかな。

ハイスコアガールDASH 31,32-Credit

『KAJIMEST』の対談で、作者が「高校受験のハルオに小春が勉強を教えてあげればいいのに、させなかった」と話していたことが、このコミックス第4巻相当のクライマックスで生きてきます。

無印でやれなかったことをやるのが「ダッシュ」です。

第25話から第32話まで、初めて雑誌連載を追っかけてみましたが、3巻までの内容と様変わりです。あのシリアスノリを期待していた人には、肩透かしかもしれません。

旧メンツが出ると、雰囲気がシリアスになりようがないですからね。

また、DVD「ハイスコアガールII STAGE2」付録の『ウル技(テク) 大技林』の描きおろし漫画の設定をそのまま引き継いで、大野さんの母が、龍虎の拳2ネタ(ジャックのドロップキック)でさっそうと登場。

ここから小春が進む道は、愛の形ではあるけれど、その先には、あの呆けたような28歳の教師になる道しか残されていない。

4巻の発売日情報はありません。

『1Q84』Book3の面白いポイント

村上春樹『1Q84』の面白い点は、あたまからしっぽまで異常な話なのに、ラストだけふつうの話であること、です。

人が亡くなるということの厳粛さを、多いに感じられます。

一方、カルト教団側の人死にのあまりの雑さに、唖然とします。この対比が鮮やかです。

村上作品では、しばしば人が亡くなりますが、亡くなる前の前触れ、亡くなったあとの事務処理、生きている間に人は何を集めているのか、その様子が淡々と書き綴られているのは、これが唯一であると思います。

そこまでの異常な話があって、このふつうの話が入ってくるところで、急に静けさが訪れるところもいいです。

村上さんの実父をみとった経験が生きているんだろうなと推測します。

好きになれなかった父親も、父親であったというあたりまえのことに気づかされる、その描写が見どころです。未読の方は、そこにたどりつくのを楽しみにしていていただければと思います。

マイ・ベスト・春樹長編です。

条文を読め、というけれど

…根拠条文は、相続税法第21条の5で課税価格から60万円を控除するとなっています。あれっ、110万円じゃない。この法規集古いのかな?

『間違いだらけの相続税対策』秋山清成、2016、中央経済社

贈与税の基礎控除の話ですが、こういうこと、多いですよねえ(租税特別措置法で110万円になっている)。

やばいのは印紙税ですね。実際には軽減されているのに、条文に直接当たると軽減前の税額しか載ってないので、印紙を貼りすぎてしまいます。

あとは、相当の地代ですか。なんとなく、相続税評価額の6%と知っていますが、法人税基本通達の原文見ると8%とあってびびります。

いきなり条文を読んではいけない。その制度について、コンパクトにまとめた文献を読んでから、条文を読んだ方が理解が早いです。

なお、『間違いだらけの相続税対策』はシリーズ2巻まであり(『厳しい税務調査がやってくる』2021)、読みやすくて楽しい本でおすすめです。

レッド・ガーランド「ア・ガーランド・オブ・レッド」

マイルスファンあるあるで、マイルスバンドのサイドメンがよかったから、その人のリーダー作を買ってみると、「あれ? こんなはずでは……」とがっかりする、というパターンがあります。

マイルスのサイドメンは、原則、マイルスの楽器の一部として演奏しています。

なので、サイドメンとして聴く分には最高なのですが、マイルスファンにとっては、サイドメンが自我を持って自分の思うようにやった演奏など、もともと嗜好の対象ではないことが多いのです。

レッド・ガーランドは、だいたいの人が「リラクシン」あたりで好きになると思いますが、じゃあ村上春樹が推薦していたからといって「グルーヴィー」を買ってがっかりすると思います。(村上さん推薦盤は、まず合わない)

正解は、この「ア・ガーランド・オブ・レッド」です。まさに、「リラクシン」と同時期の演奏で、ああいう演奏がもうちょっと聴きたいなあー、という要望にしっかり応えてくれる一枚です。

CAFE 山と海と太陽(静岡市)

モスバーガーの変わり種カフェ。Mountain Ocean Sun で MOS BURGER なのを、日本語訳しただけの店名です。

JR静岡駅の改札を出てすぐ、ASTY西館1Fの真ん中あたりにあります。

バーガーは必ずポテトとのセットなのが、MOS PREMIUM 風ですが、それよりちょっとお値段が安い。ハートランドビールセットもあるのはPREMIUM と同じです。(他のアルコールはハイボール)

ビール以外のお酒を出すモスは、以前は「モスオーシャンカフェ」などがありましたが(現在はただの MOS & CAFE に)、今は珍しいです。

「CAFE 山と海と太陽」は、いまのところ静岡に1店舗しかありません。

静岡のわさびバーガーは、全編にわたって鮮烈な刺激満載で、涙がちょちょぎれます。

コーヒーの味はそこそこよいです。

モスファンなら、一度は訪れたいお店です。改札すぐなので、旅の途中にふらっと寄れますね。

すずめの戸締まり わかるはずのない他者の悲しみが伝わる作品

某T JOYで観ました。平日夜だというのに大勢のお客さん。私はカップルに挟まれましたね……。若い人(10~20代の女子グループ)が「君の名は。」と同様に多く、でも中年層もいます。

「すずめの戸締まり」は、非常にわかりやすい作品だと思います。考えることは、あんまりないです。上映後、場内は一様に沈黙し、ややあって、観客は小さな声で感想を語り合いだしました。

新海誠監督は、中二の魂をいつまでも持っている人だなあ、と思ってて、好きですね。映画は全部見ています。ファンの話だと思って聞いてください。

※内容に若干触れるので、完全にネタバレが嫌な人は読まないでください。気にならない程度の露出にしているつもりですけど。

まず、露払い的な話

作法にのっとり先行研究を丁重に退けておくと、「八百屋批評」(筒井康隆の造語)っていうのがあります。

八百屋に行って「ここには肉がない」と批評するありかたを批判的に述べたものですが、「逆八百屋批評」っていうのもあるんだと思うんですね。

八百屋に行って「また野菜が置いてある」と批評するありかた。いや、八百屋なんだからしかたがないでしょう?

村上春樹も、どう批判されても「申し訳ないけれど、こういうものなので」という気持ちでいるそうです。春樹作品は、いつ行っても野菜が置いてあるので、私もちょっと困っています。

あと、「悲劇を題材にするのってどうなの?」というパターンもあろうかと思います。あのー、世の中の「お話」って、だいたいそういうものだと思うんですが。

ヤマタノオロチ、平家物語、なんでも、死者を慰めるために生き残った者が書いたのではないですか。これがいちばん新しいやつなんで、まず、古いものから順にやっていただければ。

で、まあ、今作は、同じ悲劇を題材とした過去作よりも、『平家物語』みたいに、お話としての「置き換え度」が、弱めです。まったく別のものに置き換えれば、エンタメとして面白がれるんですが、置き換え度が弱い今作は、とくに面白がる作品ではないです。

村上春樹でいえば、『アンダーグラウンド』(地下鉄サリン事件が題材)シリーズにあたります。

予告編が、とくに楽しそうでなかったのは理由があることでした。濃密な死の気配も、そのとおりのものです。小さな子にはおすすめできません。

んー、つまり、そんなに面白がってるわけではないので、許してください。ということです。震災で金儲けして、と言われないようになっている。もちろん、色んな感想があると思いますが。

村上春樹ファンから見た引用元

村上主義者としては、今作の引用元が気になるところですが、主義者なら99%わかりますね。『かえるくん、東京を救う』です。

2023年(劇中時間)の『かえるくん、東京を救う』が今作です。気になった方は、『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫)に収録されていますので、読んでみてください。

『かえるくん』は、春樹短編のNo.2に好きな作品です(No.1は『ファミリー・アフェア』……)。ここからがっつり引用しています。

わかるはずのない他人の悲しみがわかってしまう映画

公開前のラジオ番組で、監督本人が、震災遺児の話をしてネタばれしていたわけですが、その方々の気持ちに、自然に感情移入してしまいます。その感情の揺さぶり方、導入のやさしさが、村上春樹流というか、後継者的ですね。

ちょっと、「言の葉の庭」みたいな、言葉が飛び交うシーンもあって、遺児の周囲の大人たちへの目くばせも欠かしてはいないです。

震災当時の新聞や雑誌はたくさん読みましたが、その中で多く出てきた

  • 突然の肉親の死が受け入れられず、幽霊を見てしまう
  • あれが、最期の「いってらっしゃい」だったのかと思う

というエピソードが、効果的にフィクション化されていると思います。だからどうしても、劇中の4歳児の気持ちになってしまいます。観てる私たちが4歳児化されるんで、そりゃ泣いちゃいますよ。

生き残ってしまった者の悲しい気持ちがわかるか? 「わかるはずないだろ」というのが現実。それでも「わからせる」ことができるというのが、フィクションの手柄だと思います。

この稿の冒頭の話に戻りますが、「何でこんな話にしたのか」という疑問に対しては、こう言いたいと思います。「わかるはずのない他人の悲しみをわからせるためには、ここまでするしかなかった」と。

親を亡くした4歳児の悲しみのバーチャル体験装置、といえば聞こえは悪いですが、体験しないよりはしておいたほうがよいでしょう? そんなもの体験したくない、という人はもちろん体験しなくていいわけですが。

上映後に若い人が「震災学習」の話をしていて、見た後にそういう話を自然にしてしまう作品だと思います。読後にビールが飲みたくなる村上春樹作品のように。

本作のメインターゲットは16歳で、彼ら彼女らに、「もういつまでもガキじゃないでしょー?」と声をかけているような映画です。

観て元気になる明るい映画ってありますが、今作は、そういうものではないです。でも、私には、いい映画でした。

P.S.

  • 新海作品は、ここ3作がどれも良作ですが、並べると、軽い← 「君の名は。」12 「天気の子」12、「すずめの戸締まり」 →重い ですかね。(リンク先は過去作のレビュー、ネタバレあり)
  • 最初のダイジンとの追いかけっこシーンは、ルパン三世オマージュですよね。
  • 今作は、プロダクトプレイスメント広告は目立ちませんが、たぶん、立教大学OBの人が大いに盛り上がるだろうシーンがあります。立教、来年は受験生増えるんじゃないかな?

『税のしるべ』12月5日号によると、振込手数料売手負担の返還インボイスは不要になる見通し

12月1日の記事「振込手数料を売り手負担した場合に、返還インボイスは必要なのか」を書いて早々、適格返還請求書が不要になる改正がされそうです。

この改正のターゲットは、振込手数料分の値引きなのは明らかですね。

値引き等を行った際にも売手と買手の税率と税額の一致を図るために…返還インボイス…の交付義務が課される点については、値引き等…1万円未満…については、返還インボイスの交付を不要とすることとしている。

週刊税のしるべ 令和4年12月5日号 1面

「法律のとおりにやらなきゃ!」というのも、もっともなんですけど。

「その手続きを取っても取らなくても国庫に損害を与えないものついて、急いで制度対応しようとするのは、よろしくない」という教訓だったかなと思います。

今回は、課税上の弊害がないものに事務負担を要求する法律・制度のほうが間違っているという事案です。税法は毎年改正されるのが徳。間違ってたら直されます。

40代が生きていくために必要な「中二の魂」

スラムダンクが映画化されるなど、いまは90年代リバイバルの真っ最中。

40代の90年代といえば、中二(14歳)ころを中心とした時代だったのではないでしょうか。「中二病」とも揶揄される、よくも悪くも、異様に生き生きしていた時期です。

その頃は、いろんなことがあったと思います。とくに、他人から眉をひそめられるような趣味にふけったりした時期なのではないかと。

当時はまっていた音楽やゲームなどで、現在は、やめてしまった趣味もあると思います。

中二のときの趣味が、今も自分の心を揺さぶるなら

先日、「Wind Climbing ~風にあそばれて~」(1994)という曲がラジオから流れてきて、ふと涙が浮かんでしまいました。

YouTubeのコメント欄には、同じような大人たちのコメントが多数。中二のころに聴いた音楽が、大人になってから突き刺さるのです。

思わず、音源をダウンロード購入してヘビロテしてしまいました。

一方で、今、中二当時と同じものを体験して、まったく心に響かないものがあるのも事実。それは、自分のなかでリバイバルさせる必要はないと思います。

今でも心臓の鼓動を高鳴らせ、涙させる中二病時代のものと再会したなら、それは、40代以降も、生きていくための伴走者として連れていっていいのではないでしょうか。

この曲のほかには、自分にとっては、「サムライスピリッツ斬紅郎無双剣」(1995)がそれです。けして多くはありません。

40代以降は、中二のころのように、心を震わせることは少なくなってしまうもの。

自分の大事な魂(by 佐野元春)を思い出すために、懐古といとわず、当時の趣味を復活させるのも悪いことではないと思います。

自分自身の生きる気力をも、復活させることにつながるはずです。