低い確率でも生き延びるためには、元手が必要

大企業かどうかは、資本金の額で区別します。大きければ大企業です。

実際には、資本金が数百万円の有限会社でも、数百億の資産を持つ実質大企業もありますし、資本金の額で大小を分ける意味って? と当初は思っていました。

しかし、当初投資額である資本金の額の大小に意味があることは、『BET』(押川雲太朗)で学びました。

ビジネスの純粋形である「ギャンブル」(「ただ一方的に奪うことが許される場所」)では、ポーカー対決で手持ちのチップが80万ドルと40万ドルでは勝負になりません。

成功の確率は低いので、何度も失敗して、そのうち1回、2回が成功することでギャンブラーは生き残ります。

手持ちのチップが多ければ、失敗しながらチャンスを待つことが可能ですが、手持ちのチップが少ない中小企業では、何度も失敗したら、チャンスが来る前にパンクしてしまいます。

タネ銭さえ残っていれば復活できるチャンスがあると、『BET』は教えています。

資本金の大きな企業は、何度も失敗できるので、結果、実質的にも大企業になれる。そして、さらに何度も失敗できる。多少失敗してもつぶれない。そういう上場企業のニュースをよく見かけます。

ブラックジャックのビデオゲームをやると、勝つ確率は低くても、手持ちのチップが十分な量になると、減らなくなり、元手が多いと強いのを実感できます。

成功するためには、何度も失敗するしかなく、何度も失敗できるように、タネ銭を多めに持っていくか、失敗しても減るお金を最小にする「1ドル賭け」をするかといった工夫が必要と考えています。

正しいか正しくないかというよりは、確率が高いか低いか

ChatGPTが出力する文章が自然な日本語に見えるのは、「ある単語の次に来る確率が高い単語を次々に並べているからだ」と、何かで読みました。

でもこれって、人間が話す言葉もそうですよね。助詞の選択「〇〇は、」なのか「〇〇が、」なのかは、自分が今まで読んできた文章で、どっちが流れ的に多く使われていたかで、使い分けているような気がします。

誰かに質問されて答えるときも、正解を答えているのではなくて、正解の確率が高いことを答えているだけのような気もします。

赤ちゃんが日本語を学習するのも、聞こえてきた言葉のうちで、この状況で耳にする確率が高い言葉をしゃべることで、相手に意味が通じて、「話せるようになった」と周囲が理解してくれる。

〇〇が良い悪い、正しい正しくないと言われていることは、確率が高いか低いかと言い換えたほうが正確、というか、正解の確率が高いのではないでしょうか。

「消費税は利益の中から払ってるんですか?」という質問への回答

税抜経理方式が前提の話ですが。

まず、損益計算書のボトムに当期純利益が100万とか出てるじゃないですか。

で、貸借対照表を見ると、未払消費税等が40万とか出てる。

「えっ。法人税を払った後のもうけが100万で、ここから40万の消費税を払ったら、残るお金は60万なの? 税金重すぎない?」

と思うのがふつうの感覚であると思います。

でも、それは違うんです。

利益より多くもらった収入から消費税を払っているので、利益からは払っていません

税抜経理方式とは、損益計算書のトップの売上高の数字から、お客様からもらった消費税を(国に納めるものだからという理由で)あらかじめ抜いてある、というものです。

税抜きの売上高とは、収入額ではありません。

収入額から消費税分を減らした「売上高」をもとに当期純利益を計算していますので、利益も収入より少なめの数字になっています。

消費税は、この「売上高よりも多くもらった収入」の中から払っています。だから、現金売上しかなければ、消費税を払っても、稼いだキャッシュは100万のまま、変わりません。

利益に計上されていないという、「売上高より多くもらった収入」はどこに記載されているか? 貸借対照表の、「現金及び預金」に残っています。消費税は、利益からではなく、この、売上より多くもらった金額から支払っているのです。

Steam Deckのゲームが起動しない問題は、時間が解決する

Steamは、PC版でもDeck版でも、ゲームが起動しない問題に悩まされます。

起動しなくなった場合の対策がネットで紹介されており、私もいろいろ試してみましたが、いずれも気休めという気がします。

今の対策は、「数週間ほど置いておき、久々に起動してみる」。これです。

PC版Steamも、Deck版も、起動するたびにアプリや、Deck用の起動ソフト、SteamOSがアップデートされます。

この、自動アップデートで直ることが多いみたいなのです。

Steam Deckをときどき起動して、Wi-Fiにつないでおく。あれこれ試して時間を浪費するより、果報を寝て待つのがおすすめです。

P.S. お掃除ロボットとかでWi-Fiにつながるモデルも、同様にオンラインアップデートでいろんな不具合が解消します。ネットにつながる家電は、ちゃんとつなげておきましょう。

何らかの方法で、メーカーに不具合を報告しておくのも手です。

離れた複数の列を同時に削除するExcelマクロが動かない原因と対処法

今日び、Excelマクロは、「新しいBing(チャット)」に聞けば、正しいコードをどんどん書いてくれるので、非常にとっつきやすいものになっています。

でも、コードが正しくても、動作しないということがあります。

それが、操作する対象の表が「テーブル(任意のセルをクリックしてCtrl+Tを押すとなるやつ)」であるときです。

テーブルは、手作業でも削除などの操作がうまくできなかったり(できていても画面のリフレッシュが遅くて、スクロールさせないと消えたように見えなかったり)して、好きじゃない人も多いと思います。

マクロで削除しようとしても、ほぼエラーの原因になるのです。

なんと、テーブルを、別のマクロ入りファイルに値のみ貼り付けしても、やっぱりエラーになる。

たちが悪いのは、相手がテーブルでも、1列だけ削除ならマクロでできることです。複数の列を削除しようとすると、テーブル相手ではエラーの連続になります。

正しい対処法は、テーブルのExcelファイルをいったんCSV形式で保存して閉じ、Excelで開きなおしたものを、マクロのファイルにコピー&ペーストして、そこで複数列削除のVBAコードを実行することです。

テーブルとして扱いたいときは、そのあとにマクロなどでテーブル化しましょう。CSV保存しても日付などの書式は失われないので、安心して試してみてください。

全額控除でも出てくる消費税差額の原因、その内訳を全部出す!

全額控除でも、消費税差額って出てきますよね。これって、何でしょうか。

全額控除で、売上も10%、仕入れも10%しかなく、各種の調整がないシンプルな事例を前提とすると、その消費税差額(雑損失または雑収入)の内訳は、5つに分かれます。

大きく分けると、2つ。(1) 仮受消費税等と課税額との差額 (2) 仮払消費税等と控除税額との差額 です。

設例(単位:円)

(a) 税込売上 1,200,000 …税込単価 1,000 * 1,200回

(b) 仮受消費税等 109,200 …税込単価1,000 / 1.1 * 0.1(四捨五入) * 1,200回

(c) 税込仕入 600,000 …税込単価500 * 1,200回

(d) 仮払消費税等 54,000 …税込単価500 / 1.1 * 0.1(四捨五入) * 1,200回

(e) 納付税額 54,300 …消費税法の規定により算出。未払消費税等に計上

(f) 消費税差額 (b) – (d) – (e) = 900 …雑収入に計上

借)仮受消費税等 109,200

 貸)仮払消費税等 54,000

 貸)未払消費税等 54,300

 貸)雑収入      900             

雑収入が計上されるということは、「仮受消費税等(負債)よりも課税額が小さく、仮払消費税等(資産)よりも控除税額が大きい」ということが予想されます。文字どおり、トクしているから雑収入が計上されるのです。

この、貸)雑収入 900 の原因を巡る冒険に出発しましょう。

仮受消費税等と課税額との差額

複数回切捨てによる仮受消費税等の過大計上

会計上の税抜売上は何度も端数処理したので 1,090,800 と、税務上の税抜売上( 1 回だけ端数処理)である 1,200,000 / 1.1 = 1,090,909 より小さくなっています。よって、その裏側である仮受消費税等は、税務上の仮受消費税等より大きくなっています。

イ 税込売上 1,200,000 – 会計上の税抜売上 1,090,800 = 会計上の仮受消費税等 109,200

ロ 税込売上 1,200,000 – 税務上の税抜売上 1,090,909 = 税務上の仮受消費税等 109,091

ハ イ – ロ = 109 (仮受消費税過大)

以上のことから、仮受消費税等が過大なので、それを取り消す仕訳を計上することになります。

借)仮受消費税等 貸)雑収入 109

千円未満切捨てによる仮受消費税等の過大計上

国税+地方税の課税額の計算上は、税務上の税抜売上 1,090,909 を千円未満切捨てし、 1,090,000 に税率10%を乗じて 109,000 になっています。

この切り捨てられた 909 についても、会計上は仮受消費税等を算出しているのですから、 909 * 0.1 = 91 、仮受消費税等が過大になっています。

以上のことから、仮受消費税等が過大なので、それを取り消す仕訳を計上することになります。

借)仮受消費税等 貸)雑収入 91

よって、仮受消費税等の消費税差額 仮受消費税等 109,200 – 課税額 109,000 = 200 は、109 + 91 = 200 で検算できます(端数処理で± 1 円程度は差が出る)。

仮払消費税等と控除税額との差額

国税の百円未満切捨てによる仮払消費税等の過少計上

仮受消費税については、消費税7.8%(国税)と地方消費税2.2%(地方税)の区別をしませんでしたが、消費税法の規定による納税額の算定上は、まず国税分だけで課税額-控除税額を計算しています。

上記の設例で税法ルールで国税の課税額を計算すると、1,090,000 * 0.078 = 85,020 となり、控除税額は 42,545 、単純差額は 42,475 ですが、納税額は 百円未満切捨てして、42,400 になっています。

この切捨てられた 75 こそ、仮払消費税等を計上していないのに、税額控除できた額です。ここで、仮払消費税等<控除税額 が成立し、仮払消費税の過少計上額を修正する仕訳を計上します。

借)仮払消費税等 貸)雑収入 75

地方税の百円未満切捨てによる仮払消費税等の過少計上

消費税の申告書上では、地方税(地方消費税)は、上記の国税の単純差額に対応する金額を、国税の納付税額(百円未満切捨て後)/78*22 で直接算出しています。

42,400 / 78 * 22 = 11,958 → 11,900(百円未満切捨て)

ここで切り捨てられた 58 について、仮払消費税等<控除税額 が成立し、仮払消費税の過少計上額を補正する仕訳を計上します。

借)仮払消費税等 貸)雑収入 58

実際の控除税額に対する仮払消費税等の過少計上

地方税の課税額は、申告書上では一切出てこないのですが、概念としては存在します。

課税額合計 109,000 – 国税の課税額 85,020 = 地方税の課税額 23,980

で、地方税の控除額も、申告書上では出てきませんが、この地方税の課税額 23,980 – 前述の単純差額11,958 = 地方税の控除額 12,022 として、逆算で求めることができます。

すると、実際の控除税額は、先ほどの国税の控除額 42,545 + 地方税の控除額 12,022 = 54,567 です。

一方、会計上の仮払消費税等は、54,000 でした。つまり、仮払消費税等より 567 、多く控除できたことになります。

そこで仮払消費税等の不足額を修正する仕訳を計上します。

借)仮払消費税等 貸)雑収入 567

まとめ

これで、消費税差額 900 の内訳がすべて取れました。

109 + 91 + 75 + 58 + 567 = 900

今回は、すべて雑収入(いわば、益税)でしたので、このような結果になりましたが、たとえば、税込売上単価が 1,100 で、税込仕入単価が 550 だったりすると、なんと、消費税差額が 0 になります。

ちなみに、この消費税差額の内訳算出の考え方は、私だけが言っていることではなくて、『対話式消費税申告書作成ゼミナール』(鈴木基史、清文社、2015)の p.149 ~に出てきます。

酸味の強い系の濃醇日本酒 菊姫山廃仕込純米酒(石川)/鉾杉 KH改 多酸純米酒(三重)

最近飲んだ、濃醇をうたうお酒は、酸味が強いものが多かった気がしますね。

濃醇旨口をうたう「菊姫 山廃仕込 純米酒」、色あいも、いかにも濃醇!という感じで好ましいのですが、一口目に酸味を強く感じます。

濃醇好みといっても、それを冠するお酒は2つに分かれるように思います。

酸味強い/酸味弱い です。

このどっちが好みになるかは、コーヒーの酸味強い/酸味弱い の好みがどっちかによります。

越の寒中梅朝日山純米酒も、やや酸味系ですね。

それよりさらに酸味強めなのが、「菊姫」です。メーカーサイトでも酸味がランク最強になっています。

そのチャートでいったら、最強のメーターをさらに振り切った極端な酸味酒が、「鉾杉 KH改 多酸純米酒」。これは、ほぼ「お酢のようなお酒」です。

お値段も高い。日本酒は、高いものほどおいしいのではなくて、高いものほど人を選ぶようになっています。これが好みだったら、あとあと困りますね。