NPO法人が主たる事務所を移転した場合の手続き

法人を引越し(本店移転)すると、もろもろの手続きが必要です。

法人内部の手続き、法務局の手続き、あとは税務署の手続きもあります。
NPO法人の場合は、所轄庁への手続きもあります。

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株式会社の場合

非営利のNPO法人といっても、さまざまな手続きは、株式会社(会社法)と似ています。
営利法人との対比で手続きを眺めてみるのも有用です。

株式会社が、新しい事務所を借りて、そこを本店することに決めた。

その場合、まず、自社の定款を確認しましょう。
「この法人は、本店を東京都千代田区に置く」と行政区域単位で書いてあって、千代田区の外に出る場合は、株主総会の決議が必要です。
また、定款の変更も必要です。

この行政区域の外に出ない場合は、取締役の過半数の一致(役員が一人なら、ご自分で決めればOK)で移転します。
定款の変更は必要ありません。

登記申請書の書き方は、法務省のサイトで詳しく説明があります。
難しい場合は、司法書士に代行を依頼することもできます(司法書士さんをお探しのお客様には、信頼できる司法書士をご紹介いたします)。

NPO法人の場合

NPO法人は、本店の代わりに、主たる事務所という用語を使います。

主たる事務所の移転先が、現在の定款に記載の行政区域と異なる場合は、同様に手続きが増えます。

その所轄庁の行政区域(都道府県 or 政令指定都市 or 県の事務が移譲されている場合はその市町村)の外に出る場合は、株式会社同様、社員総会での決議と、定款の変更が必要です。

NPO法人の場合はさらに、移転「後」の所轄庁への定款変更の認証申請が必要となります。
所轄庁の認証を受けられるまで、定款は変更されません。
決議だけで変更できる株式会社とは異なる点です。

認証が下りるまで、主たる事務所の移転の登記もできません。

移転前の税務署への届出

主たる事務所の住所を変更することを、納税地の異動といいます。

主たる事務所(株式会社でいう本店)を変更すると、税務署にも手続きが必要です。
次の書類の提出が必要です。提出期限は、移転の事実があってから1カ月以内です。

  • 法人の異動届出書
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

移転先によっては所轄税務署が変わりますが、提出先は、移転「前」の住所を所轄する税務署です。

なお、法人の異動届出書において、納税地の異動年月日は、本店移転の登記年月日を記載します。
現実に、新事務所が稼働した日ではないので注意です。

NPO法人の場合、移転先の所轄庁の認証が下りるまで定款の変更ができず、登記もできないので、法人の異動届出書も出せないことになります。

源泉所得税はどっちの税務署に納付する?

申請してから認証が下りるまで時間がかかるため、ここで一つ問題が生じます。

前に徴収した源泉所得税の納期限が、登記年月日より先に来てしまうのです。

源泉徴収する支払をしたあとに、主たる事務所を移転した場合は、移転後の事務所の所在地を所轄する税務署です(所得税法第17条)。

この場合は、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書を先に提出して、源泉所得税の納税地を変更しておくことが考えられます。

給与支払事務所等の住所は、主たる事務所所在地でなくてもいいので、登記の前に、現実の新事務所の住所と移転日で提出できます。

登記上の主たる事務所と別の場所で、源泉徴収事務を行っているという形になります。
それ自体、問題はありません。
株式会社の支店を想定して、登記上の本店住所と給与支払事務所等とが異なっていてもいいからです。

参考

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