銀行に見せられる決算書にするために、残高を管理しよう

コロナ貸付の返済が進み、借り替えが増えています。

銀行からの借入を目指すなら、決算書は整えたいものです。

年の瀬迫る横浜・関内。横浜公園はクリスマスイベントの工事も

貸し手の気持ちになると知りたい数字

銀行(信金など)には会社の決算書を提出します。

というとき、決算書+法人税の申告書(内訳書・概況書も含む一式)を出すのです。

銀行の気持ちになってみましょう。

まずは、損益計算書。
貸したお金は、お金で返してもらわないといけないので、会社が外部から稼いでくる収入である売上高は、気になります。
おおもとの収入がなければ、返済資金は生まれえないからです。

あとは利益。費用を引いた当期純利益からお金を返してもらうと考えます。
ただ、お金の出ていかない減価償却費は利益に足します。

それから、貸借対照表。
そもそも現預金がどのくらいあるのかも知りたいです。
会社の借入金は、貸したほうは知っていますが、他の銀行の借入も含めて、毎年どのくらい返済しているのかも知りたい情報です。
銀行は、他行と強調して動くこともあります。

また、会社の経営分析をするうえで、売掛金・買掛金・棚卸資産のデータも必要になります。

ということは、これらのデータは、会社として正しいものを出すようにしたいものです。
正しい方向に、日々精度を高めていくというイメージです。

損益計算書の精度を高める

決算書だけでなく、月次で試算表を提出する場合もあるものです。

その場合、最低でも売上高・仕入高は発生主義になっていることが求められます。

といっても特別なことではなく、入金が後受けになる場合は、債権管理をしているはずです。

当月分の納品(出荷)について翌月入金なら、請求できる金額が今月増えた分が、売上高になります。
前月分の売上+今月分の売上-前月分の入金=今月分の売掛残。

今月分の売掛残が正しいかどうかは、請求書の控えを見るか、翌月の実際の入金額を見れば分かります。

これをExcel等で管理してもいいのですが、いまは、会計ソフトに請求書作成ソフトがついているものもあります。
freee会計などです。

これなら、請求書を作ると同時に売上を計上し、その後の債権管理もできるので、非常に合理的です。

請求書の作り方、書式が分からないという方でも、いきなり作ることができます。
いちばん安いプランでも作れますので、売上高と売掛金の金額の正確性を高めるのに役立ちます。

仕入代金が後払いの場合も、freee会計なら、商品が届いた・サービスを受けた月に支出・未決済取引を登録し、決済期日を入れれば、同様に債務管理も可能になります。
請求書に記載された支払期限までに払っていないと。ホーム画面に警告が出ます。

入出金を売上・費用にして、決算時のみ売掛金・買掛金を設定するというのでも、税務署は問題ないのですが、金融機関に試算表・決算書を見せる必要がある場合は、発生主義で粗利を計算したいところです。

なお、棚卸までは毎月求めらないことも多いですが、できるならしたほうが、粗利がより正確になります。
債権管理(月末時点の未入金額がいくらか)、債務管理(月末時点の未払金額はいくらか)、といった、会社の残高を把握できることが、事業の第一歩です。

そこまで経理ができていれば、銀行だけでなく、税理士など経理や経営の専門家の協力も得やすくなります。

貸借対照表の精度を高める

現金については、経理に小口現金勘定を使わず、経営者自身が使った金額を1カ月集計して、翌月にまとめて精算するようにしたほうが簡便です。

預金については、通帳の月末残高と、試算表(銀行口座別)との一致を確認しましょう。

当座預金だと、当座勘定照合表の残高と、試算表の残高はずれることもあります。
小切手を振り出した時点で、会計ソフトの当座預金の金額は減らすのに、それだけでは銀行の残高は動かないからです。

当座勘定照合表の月末残高から、月末近くに振り出した小切手の金額をマイナスすると、会計ソフトの当座預金勘定の残高に一致します。(未取付小切手の場合)

会社の借入金は、借入後に銀行から届く「お支払額明細書」(返済予定表)の、今月末の元金の残高と、借入金勘定の残高との一致を確認します。

借入の本数ごとに、品目タグ(補助科目)を設定して、管理しましょう。

売掛金・買掛金勘定の残高は、債権管理・債務管理している金額と一致しているか。
棚卸資産勘定の残高は、年に1回は在庫の数を数え、最後に買った時の金額(税抜経理の場合は、税抜金額)を商品ごとに掛け算した金額(棚卸表で計算)と一致しているか。

私も、残高がある程度管理できている会社とのお仕事は、楽しく、また、集中してやれます。
いまはまだでも、その段階を目指しているなら、ぜひお手伝いをしたいです。

近況報告

お客様から年末調整の書類が届く季節になりました。
税理士が使う年末調整ソフトのアップデートも、明後日を予定。給料データは10月分まで入っていますが、できるところから進めていきます。

1日1新:2025年分の年末調整