ふつう重要視しがちな「名義」が重要でない場合

税金の世界は、基本的には「増えた純資産に課税される」という、ふつうの感覚に一致するのですが、たまに、一般的な感覚とズレることがあります。

そこに、困惑させられるケースもあるでしょう。

「名義」の話です。
ふつうに考えると、名義が大事で、名義人にかかる税金であろうと考えると思います。

大岡川沿いの桜

一般的な感覚と税金の感覚が一致する場合

もちろん、税金の世界でも、名義が重要とされるものがあります。

それが、登記される不動産、登録される船舶などです。
法人なども、登記が重視される世界です。

というのは、法律上の登記・登録がされれば、誰が見ても、その人のものだということが分かるからです。

税務署にとってもそうです。
登記された人の持ち物なんだろな、と考えるわけです。

そのため、不動産などを買った場合は、お金を出した人の名前で登記しなければなりません。
そうしないと、お金を出した人から、登記された名前の人に、不動産などを贈与されたと見られて、登記された人に贈与税がかかります。

名義と実際のズレが生じた場合

なんらかの事情で、名義と実質がズレる場合があります。
通常は、名義と実際にやっている人は一致するので問題は起きないのですが、そうでないケースもあります。

それも、登記・登録でないケースでズレていることも。

特に個人の場合は、迷うこともあるでしょう。
この収入は、名義人と、実際に仕事をしている人の、どちらの所得として申告するのか?

ふつうに考えると、名義が重要な気がするので、迷うのです。

不動産賃貸業の場合は、原則として、その登記されている人の不動産所得になります。
登記があるからです。

それ以外の場合は、なんらかの事情で名義と経営者がズレていても、現実にその事業を経営している人の所得になります。

子どもの名義で銀行預金を開設して、そこにお金を貯めても、それだけでは子どもに対する贈与になりません。
実質的にその口座を支配している人の財産のままです。

なぜそのようになっているか

税金は、形式ではなく、実質にかかります。

もし、税金が名義をあまりに重視しすぎると、名義を分散させることで、所得の分散が簡単にできてしまいます。

簡単に名義が変更できるのであれば、名義は重視しません。
名義と実質が一致するように行うのが原則ですが、ズレた場合は実質ベースで判断します。

これは、映画「マルサの女」を見ればわかります。
他人名義の銀行口座(銀行印)が大量に発見されますが、それらを実際に支配する経営者・法人に課税されていました。

たまにニュースで、「実質的経営者」の名前が出ていることもあります。
(登記上は、身代わりを役員にしている場合)

実質に税金がかかるのは、不正を防ぐため、と考えておくとよいでしょう。

近況報告

税務相談の仕事を。
大岡川沿いでは、桜が七分咲きというところで、たいへん見ごろになっていました。

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