相続時精算課税を利用する際の手続き

相続時精算課税制度が改正されたことで、この利用を検討されている方も多いのではと思います。

現実に、この利用者は増えています。
2024年は、2023年比で59%増、78,000人が利用したといいます。
贈与税の税収も、いまの基礎控除(110万円)になってから最高を記録したとか。
6年分贈与税の確定申告状況、相続時精算課税が59%増の7万8000人に大幅増|税のしるべ 電子版

2024年から改正で、年110万円の基礎控除が追加されたからです。

贈与した人ごとに2500万円の非課税枠があるものの、結局、実際の相続(贈与した人の死亡)時に持ち戻しされて課税されるので、お得になるわけではない制度でしたが、使いやすくなりました。
また、この110万円の基礎控除で控除された分は、相続のときも持ち戻されません。

相続時精算課税制度を利用する前に知っておきたいことをまとめました。

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相続時精算課税制度が使えるかどうか

生前贈与を検討する際には、まず、年齢制限がありますので、これをクリアする必要があります。

相続時精算課税の適用可否は、令和8年中(今年2026年)に贈与する場合、
□贈与する人の誕生日が、昭和41年1月2日以前である
□もらう人の誕生日が、平成20年1月2日以前である

※令和8年以降の場合は、それぞれ年をプラスしていただければ。

次に、人の要件があります。
□もらう人は、贈与する人の、子(推定相続人) または 孫 である

つまり、60歳以上の親から18歳以上の子などに対する贈与であればよいです。
多くの場合は、満たすのではないでしょうか。

もちろん、贈与に当たっては、税金以前の話として、配偶者・兄弟姉妹館の平等に配慮して、争いにならないように行うのが、そもそも大事なことになります。

手続き(申告書、届出書、添付書類)

2026年中に贈与を受けたら、贈与を受けた人が、その翌年、2027年3月15日までに、「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。

贈与した人(親、祖父母)が出すのではありません。
これは、通常の贈与税の申告書でも同じです。

提出期限は、所得税の確定申告書の期限と同じです。
期限を過ぎると、前年の贈与は、暦年課税で贈与したことになってしまいます。
どうしても相続時精算課税制度を利用したければ、来年、届出を再チャレンジすることになります。

贈与したのが110万円以下であれば、この届出書の提出だけでOKです。
届出書の「私は、贈与税の申告書を提出しないため、相続時精算課税選択届出書を単独で提出します。」にチェックを入れて提出します。

そうではなく、110万円超であれば、合わせて「相続税の申告書」を提出します。
「納付すべき税額」が0円であっても、110万円超の場合、相続時精算課税の2500万円の非課税枠を消費しますので、あといくら枠が残っているかを示すために提出します。

2500万円の非課税枠は、ずっと繰り越され、枠を超えた金額の分から、贈与税がかかり始めます
この非課税枠は、贈与した人ごとにあります。

その贈与した人からの贈与は、届出を出した以降は、すべて相続時精算課税による贈与になります。
その際、相続税の申告書を出すかどうかの判断は、1回目の贈与を受けたときと同じで、年110万円超かどうかです。
つまり、2500万円の非課税枠を消費したら、贈与税の申告(相続時精算課税)をします。

届出の際、贈与した日以降に取得した「戸籍謄本」を添付します。
親子間であれば、親の戸籍謄本を取得すれば、親子関係も分かるし、年齢制限をクリアしているかも分かるので、それでよいです。
祖父母・孫間であれば、さらに、子の戸籍謄本も取得し、孫であることが分かるようにします。

実際上の注意点

預金の振込による贈与であれば、贈与した金額を間違えることはありません。
通帳を見ればいいわけですから。

ご自分で、確定申告書等作成コーナーで、贈与税の申告書を出すこともできます。

なお、納税がある場合、所得税・消費税の振替納税を設定している方であっても、振替納税は使えません。
e-Taxで電子申告したあと、メッセージボックスに受付通知が保存されますので、その下にあるボタンからネットバンク等で納税するのが楽です。

預金以外であれば、いくらの金額のものを贈与したのかについて、「評価」という問題が出てきます。

建物(家屋)については、固定資産税の課税明細書の「評価額」(課税標準額ではなく)、土地については、分譲住宅地のように四角い整形地であれば、同コーナー内の「土地等の評価明細書作成コーナー」で評価することができます。
土地等の評価明細書も添付して、送信できます。

ただし、マンションを贈与した場合や、宅地以外を贈与した場合などは、同コーナーは使えません。
相続税の申告書作成に関する本で勉強して、ご自分で土地を評価するか、税理士に依頼して計算してもらうことになります。
単発相談/単発代行をご利用いただければ。申告書作成まで必要な場合は、ご相談ください)

また、相続時精算課税で贈与した際の届出書・申告書の控え(コピーを取っておきましょう)は、絶対になくさないようにしてください。
将来、相続税の申告の際に使いますので。

近況報告

おもに請求業務と、税理士業(記帳代行)の仕事を。
ゲームは仕事終わりにちょっと。

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