法人化で、確かに税金が減ったり、社会保険料が減ったりするかもしれません。
しかし、増えるものがあることは認識しておきたいところです。
その増えることに対応できるかどうかが、損得以前の話です。
やる時間があるか、どうかです。

給与計算・源泉徴収義務が増える
フリーランスは、通常、自分以外に働く人がいないのです。
青色事業専従者給与を含め、給料を払ったことがない。
これは、事務負担を下げるという意味では、ベストな選択です。
源泉徴収義務がないからです。
ただ、同じ個人のフリーランスや士業に仕事を依頼するときは、「私は、源泉徴収義務がありません」を忘れずに伝えることです。
これが、法人化すると、法人は、社長に給料を払う存在になるため、社長しかいない会社でも、新たに源泉徴収義務が発生します。
給料なり、一定の報酬を払ったら、源泉徴収して、税務署に納付する必要があります。
給与計算の仕組みづくりが必要です。
払う税金・社会保険料が増える
個人のときはシンプルでした。
所得税の確定申告書さえ出せば、住民税も、事業税も、社会保険料も、自治体が計算してくれました。
法人になると、そうはいきません。
- 法人税、地方法人税
- 法人県民税、事業税、地方法人特別税
- 法人市民税
- 社会保険の算定基礎、随時改定など
- 社長の年末調整
- 給与支払報告書の提出
- 従業員がいたら、雇用保険、社会保険の加入手続き
- 法人の登記関係の手続き
こういったものも、ご自分で計算し、手続きを行う必要があります。
どうやって対処するか
法人化にあたって、人を雇い、その人に現場を任せるようにすれば、ご自分でこういった追加のバックオフィス業務を行えます。
反対に、家族に短期バイト代を払って内部事務をやってもらい、引き続き現場を担当するか。
社会保険関係は、社会保険労務士に手続きをお願いすることができます。
給与計算時に標準報酬月額などの情報を反映するだけで済みます。
依頼しない場合は、ご自身でハローワークの窓口に行くことになります。
会計ソフトで所得税の青色申告はできましたが、法人税の申告は専用のソフトが必要です。
申告ソフトがあっても、やり方が分からない場合は税理士に依頼します。
(法人用の会計ソフトは、個人用より値段が高いです)
経理の時間を減らすなら、会計ソフトへの入力も外注はできます。
登記は、ご自分でもできますが、専門家に依頼したいときは司法書士です。
コストをかけたくなければ、ご自分で調べて、法務局へ。
自分で行うにせよ、専門家に依頼するにせよ、法人成りするなら、増えるバックオフィス業務に対応する方策を考えておく必要があります。
近況報告
午前中は、横浜商工会議所の仕事。午後は初回面談、夕方は相続税の研修。
帰宅後YouTube、国勢調査にインターネット回答。ブログを更新。
1日1新:コメダ珈琲店 戸塚西口店

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細