私は、顧問料なり、確定申告なり、単発相談なりの料金は、前受けにしています。
前受金の管理が必要になるので、経理は楽ではありません。
私が受けたとこいの税理士試験にも、前受金の論点が出たことがありました。
問題分から、納品が終わっていることを読み取って、試算表の前受金の残高に「0」と書き込むだけで点数がもらえた、ラッキー問題でした。
簿記では、予約販売という一種の特殊商品販売の分野になるのですが、簿記学校であらためて習った記憶がありません。
前受金の注意点をまとめてみました。

前受金の請求
前受でいただくときも、請求書は発行します。
freee会計のように、請求書作成機能が会計に連携されるものの場合、何も考えずに取引登録すると、「売掛金/売上高」として入力されてしまいます。
前受金の請求をしたい場合は、取引内容の編集を行う必要があります。

ここで、勘定科目を前受金にセットしておきましょう。
翌月分の顧問料を前受した場合の処理です。

仕訳としては、「売掛金/前受金」となります。
3月の入金時に売掛金を取り崩し、4月になったら、前受金を4月の売上高に振り替える(freee会計なら+更新)処理をします。
請求書で取引登録をせず、入金時に前受金にする方法がシンプルですが、請求書が複雑で前受金以外の分を含んでいるときは、前述の方法がおすすめです。
会社の経理規定や伝票会計のしかたによっては、掛売り・現金売上・前受のいずれであっても、いったん売掛金/売上高を計上するというルールにしているところもあります。
あとで売上高を前受金に直すパターンです。
入金時売上高か、入金時前受金か
簿記でも習ったかもしれませんが、前受金の会計処理としては、入金時に売上高にして、決算整理で翌期分を前受金にすることもあります。
このほうが、処理が少ないのに、期間損益計算も貸借対照表も正しくなるので、楽ではあります。
ただ、税務申告書上で月別売上高を表示する必要があり、この処理をしていると、ある月の売上高が非常に多くなり、期末月の売上高がマイナス金額になってしまうこともありえます。
なので、私は、入金時前受金をおすすめしています。(あるいは、前述の普通預金/売掛金、前受金/売上高をセットで行う)
前受金になるものについては、freee会計をお使いの方なら、前受/前払入力アプリを使いましょう。
最近、アップデートされて、使いやすくなりました。(発生と決済とが前後していても入力できるようになった)
本当にそれは前受金か
事前に受け取るお金が、すべて前受金というわけではありません。
ある種の業務委託契約のように、毎月、決まった日に定額の報酬を受け取る場合、入金時に売上高にしてもよいことになっています。(所得税基本通達36-8(5))
また、弁護士の裁判の着手金のように、事前に受け取ることが慣習となっており、訴訟の事務を遂行すればよく、裁判に勝とうが負けようが返金の必要がないものは、これも入金時に売上高とし、前受金にしないのが正しいです。
そもそも、着手金が何カ月分、というものでもないですから(裁判は何年続くかわかりませんので)。
税務大学校のこの論文も面白いです。人的役務所得をめぐる若干の考察(目次)
国税庁のこの記事も参考になるところが多いです。収入すべき時期とは、売上の計上タイミングのことです。
歯列矯正料の収入すべき時期|国税庁
キャンセルがあれば、まだ未経過の月数分の代金を返金する義務を負っているもの。
つまり、負債の性質があるものについては、お金が入ってきても、売上にしません。
資産と同額の負債が増えただけで、純資産が増加していないからです。
資金繰りの面からも、また、債権回収の問題を起こさないためにも、前受はおすすめです。
その場合は、この記事の注意点を押さえておきましょう。
近況報告
花粉がひどくなってきたので、いまさらながら洗濯物を部屋干しに切り替えました。
昔、PayPalのアカウント作成に失敗して決済ができなかった苦い思い出があり、PayPalを敬遠していましたが、たんに電子決済サービスとして、アカウントなしでもカード決済ができることが分かりました。
請求業務をしたあと、税理士業務(確定申告)を。
1日1新:銀行融資セミナー申し込み、PayPal→カード決済
1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細