税金の本が難しい理由

税金は、経営者・社長から見ればコストです。お金が出ていってしまいますので。
知っていれば、出ていく金額を減らせる、という面もあります。

じゃあ、税金の勉強でもしてみようか……と思って「○○税の基礎」といった本を読んでも、なんだかよく分からないと思います。

私も、税理士試験の勉強中に、「基礎からわかる」みたいな本を読んでみましたが、とっつきにくく、読み通せませんでした。

いきなり制度の説明から入るから

とっつきにくいと思われた本は、税金の制度を頭から順番に解説した本ではなかったですか?

そういう本は、事業主向けではありませんので、おすすめしません。

いきなり税金の制度(法律の内容)から入る本がとっつきにくいのは、そもそも何で、何に税金がかかるのかについての説明が抜けているからです。

税金がかかる原則を知っておくと、「あ、これ税金がかかるかも」と警戒できるようになります。

預金残高の増加額+生活費に税金がかかる

税金がかかるのは、原則として、利益です。

利益は、売上-経費で計算できます。

売上や経費は、資料にもとづいて帳簿に集計し、その結果として利益が出てくるわけです。

すると、帳簿をつけたり申告したりしなければ、利益が分からないから、税金をかけようがないのでは? と思うかもしれません。

しかし実際には、税務署の調査によって、利益が推計されてしまうケースがあります。

なんら帳簿をつけていなくても、預金残高が年始から年末までに増えていれば、増えた分が一つめの利益です(年末までに未払いの代金、カード未引落し額、借入金はマイナスします)。

さらに年間、生活費として払ったお金を上乗せします。この消費額は使ってしまって、預金残高に残っていないので、足し戻します。これが二つ目の利益です。

生活水準や、お金を何に使ったかを調べれば、利益は補足されます。帳簿があるかないかではなく、貯金できたり消費できたりした事実に税金がかかるのです。

税金のかからない理由も知っておく

このように、原則は、預金残高の増加+消費額に税金がかかるのですが、例外的にかからないものがあります。

非課税とか、課税の対象外というものです。

これは、かからない理由があって、税金の制度上、非課税としているのです。

税金を集める側の気持ちからすると、原則、貯めた額・消費した額に相当するものから税金を取りたい。

でも、納税者をある方向に誘導したいから、優遇税制が定められている場合もあります。

見かけ上収入があっても、そこに税金をかけるべきでない理由がある場合もあります。

そういった、税金の軽減される理由を知っていれば、自分のやっていることで税金が少なくなるのが正しい! と納得して経理ができます。

税金がかかる理由・かからない理由、「そもそも」に触れている本を、一度読んでみてはと思います。

大学の先生がやさしく書いた小型の入門書(税金全般について書かれているもの)が、おすすめです。

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「テキストをハードウェアキーで送信する」をONにすると、正常に動作する場合があると読んで試してみたところ、かえってダメだった(2バイト文字が入力されない、Tabキーの移動量も変わらない)。どういう状況で役立つのだろ……?

トップ画像より

今度母校で学生向けに講義をするので、スライドづくりをはじめてみました。