今日は、フリーランスの方向けのセミナー&個別相談会を、井戸端クリエイターネットYOKOHAMAの主催で開催しました。
参加費6,000円にも関わらず、6名の方においでいただきました。
主催の方にバックオフィスを担当していただき、スムーズな開催ができました。
フリーランスの方に、講演や相談で、単発でサポートするのは、私の好きな/得意な仕事です。
フリーランス(になる可能性がある)方にお話しするときは、「フリーランスはひとりの会社です」とお伝えするようにしています。
これが響く方が多いように感じています。

いきなりフリーランスになる人はいない
大学を出て、いきなりフリーランスになる人は、まずいないでしょう。
学生時代に広告賞を取るなど、実績のある人に限られます。
何も稼ぐ力のないふつうの人が収入を得るには、会社員(公務員・団体職員)になるしかありません。
会社(組織)の信用や営業で注文が入り、自分に仕事が回ってきます。
1年間働けば、会社からの収入は払った会社がいちばんよく知っているので、会社が年末調整といって、自分の税金の計算をしてくれます。
自分の税金の計算をしてもらったのだ、と意識することすらないでしょう。
来年度、会社がどう動くべきかは、社長が考えてくれます。(ボトムアップすることもあるでしょうが)
日々の会計ソフトへの入力や決算も経理部にやってもらえます。
そんな恵まれた環境の中、会社員のうちに、売れるスキルを身につけていき、数年後にフリーランスとして独立するのがパターンです。
統計では、5年以上10年未満の就業年数で独立するのが21.5%と、最多となっています。
独立すると人員は削減、仕事量は増大
独立すると信用がリセットされ、営業部員もいなくなり、年末調整をしてくれる人もいなくなり、社長もいなくなります。
信用が確立していないので注文は来ず、営業しなければならなくなり、税金の計算も自分でやり、今年度も方針を考えるのも自分になります。
人がいなくなったのに、業務の量が増えているという事態に直面するのが独立です。
よく考えると、けっこうなピンチです。
独立当初は売上につながる仕事が減る分、それ以外の慣れない業務に時間を回せるという部分はありますが。
それでも2年、3年と経つうち、注文も徐々に増えてきて、また時間がなくなってきます。
でも、メインの仕事以外の業務が減るわけでもないので、独立したら、バックオフィスの時間を取っておく必要があるのです。
売上が増えているがゆえに、期限後申告・無申告となってしまうリスクを抱えています。
そうならないように、日ごろから余力を持つようにしましょう。
経費を考えるときにイマジナリー上司を召喚
フリーランスは、個人ですから、出ていくお金は生活費と経費が混在しています。
経費にどこまで入れていいか、というのはみなさん共通の悩みです。
これは、フリーランスを法人化しても変わることはありません。
ひとりの人間の中に、会社と消費者というふたつの人格があるようなものです。
ひとつの考え方として、自分の中に、イマジナリー(想像上の)上司を設定する、というものがあります。
そこで、上司に稟議書を出すのです。
これこれこういう理由で、接待を行いたいので/修理をしたいので/備品を購入したいので、ご承認をお願いしますと。
少額の場合は、立替払いしたレシートを経理部に持っていって、精算してもらうと。
会社員経験が、ここで生きてくるのです。
いま払おうとしている経費は、稟議通るかな? 経理部が精算してくれるかな? と考えるはずです。
そもそもレシート(払った証拠)がなければ、精算してもらえません。これはフリーランスになっても会社と同じです。
考えもなしに、お金があるから、ほしいから払った、というのでは、会社の行動ではありません。
仕事につなげよう、リターンを得ようという目論見があって払うのが、会社です。
フリーランスはひとりの会社です。
会社とやっていることは同じなのですが、物理的にひとりしかいないので、特有の対応が必要になります。
自分が他部署の仕事もできるようにする、という横の拡大。
自分の上司の承認を得られるようにお金を使う、また、自分が社長となって誰をターゲットに仕事をしていくか考える、という縦の拡大。
ひとりしかいない自分の拡大は、負荷がかかるものです。
時間の余力をつくり、慣れないことを行い、行動しながら考えていくことになります。
しかも、ひとりしかいないので、相談する人、仕事を頼む人も、最初はいません。
ここをうまく見つけていくことも大事になるでしょう。
近況報告
確定申告講座の準備をしたり、メールのやりとりをしたり、立教大学寄附講座を講師の権限でZoom視聴したり。
コンビニのコピー機でおつりを取り忘れて、一瞬へこみましたが、YouTubeのネタにして解決しました。
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1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細