『新九郎、奔る!』(11) 大御所目覚めるの巻

11巻を読んだ後、読み返したくなるのは、作中で指示される1巻です。当然ですね。蔭涼職(いんりょうしき)の「季瓊真蘂」(きけいしんずい)の名前が1巻に出てくるというのですから。ちなみに1巻の56ページに登場しますので、ぜひご再読を。

で、1巻を読み返すと、表紙と冒頭は38歳の新九郎なのですが、11巻の新九郎も、だんだん38歳のときの顔に近づいてきています。登場人物が、すこしずつ年を取っていく描写が、この大河漫画の楽しみですし、大河ドラマ自体もそうですね。

一方を立てて もう一方からは 恨まれるのが 天命ならば…

『新九郎、奔る!』(11) p.174

そして大御所義政が、皆にいい顔ができないことに気づき、仕事をしはじめます。両者にいい顔をしようとしたら、不幸になるのは自分だけです。「実は、どっちかを不幸にしてもいいんじゃね?」と気づいたときから、大御所自身の人生が始まります。次巻は来年初春予定。