大西順子「Tea Times」2016

菊地成孔プロデュース作品は、菊地さんの楽器として演奏するミュージシャンを味わうところに主眼があります。本作もそうです。

人力テクノというか、本当にびっくりするドラムの音。ピアノトリオ盤と見せかけて、突然ホーンが入ってくる展開。狭間美帆の提供曲;狭間さんのオリジナルアルバムが馴染めなかった人でも、菊地ファンならこれは聴けます。聴きどころはたくさんあります。

また、本作は「ライブでしか聴けなかったバンド」=ダブ・セプテットの楽曲集でもあります。音源が存在せず、聴き返すことができなかったダブ・セプテットの音楽を、違った形で聴くことができます。

3曲選ぶなら、Tea Times 2、Malcom Vibraphone X、そしてU Knowです。 U Knowは、ダブ・セプテットの「Do You Know Honey?」のラッパー入りリメイクで、ライブのアンコールで流れた甘い雰囲気を残しています。