横浜の税理士 木村です。
来年で結婚16年になります。
今日は特定検診で地元の病院に行ったのですが、待合室は老夫婦が多く、我々の行く末も見えてくるような場所でした。
夫婦の置かれている状況に応じて、老後に考えておくこと、それに対応した税金の制度をざっくり知っておきましょう。
子どものいない夫婦
子どもがいらっしゃらない場合、財産をすべて配偶者に相続させるという公正証書遺言を作ることをすすめます。
何もせずにいると、配偶者に万一のことがあると、その財産は、ご自分と、配偶者の兄弟姉妹とで遺産分割協議をすることになります。
配偶者の兄弟姉妹とは交流が少ないことが多いですから、協議も難しくなります。
遺言書があれば、協議することなく、配偶者の財産を引き継ぐことができるからです。
相続税に関しては、配偶者控除により税金はかからないか、かなり軽減されます。ただし相続税の申告は必要です。
厳密には、配偶者の兄弟姉妹と一緒に申告をするのですが、財産を相続しない方が申告しなくても、国は税金を損するわけではないので、問題にならないことがほとんどでしょう。
また、おひとりさまとなった後の相続財産のゆくえに関しては、何もしなければ、ご自分の兄弟姉妹にわたることになります。
それもちょっとな……と思われる場合、例えば、ご自分の出身大学への遺贈による寄附を考えてもいいかもしれません。
出身大学名 遺贈 寄付 で検索してみましょう。
子どもが遠方に居住している夫婦
子どもが近くに住んでおらず、年に1・2回、孫の顔を見せに来てくれるご家庭もあるでしょう。
子どもの中に、ずっと賃貸住まいの子がいれば、その子に自宅を相続させれば、相続税が軽減される特例があります。
また、おひとりさまの相続であって、子どもの実家である自宅を売るときにも、相続空き家を売却したときの所得税の減税を受けられる場合があります(ご自宅が1981年5月31日以前築の場合など)。
親族が面倒を見るが難しいという場合、認知症などで成年後見人の利用を検討する必要があるのもこのケースが多いです。
専門家に依頼すると、財産額に応じてかなり費用がかかることは考慮する必要はあります。
また、「成年後見人がついていると、被後見人の自宅は売れない」というイメージもありましたが、いまは、その売却価格が適正であることを裁判所に立証できれば売却でき、施設に移れるケースもあるそうです。
私も、そういったノウハウのある不動産会社をご紹介できるようにしています。
子どもと同居している夫婦
なんだかんだ家族と同居していれば、家族がうまくやってくれることが多いので、成年後見人や保佐人の利用をせずに済むことが多い場合です。
知的障碍者が認知症の方の数に比べて、成年後見人の利用者が非常に少ないのは、家族のサポートのおかげかもしれません。
相続の際には、小規模宅地の特例(同居特例)なども利用できますし、その後売却することになっても、居住用不動産の譲渡の特例で所得税も軽減しやすいです。
税理士も、自分自身のこととして考える夫婦の老後、事前のご相談も承っています。
編集後記
特定検診の後、関内エリアで人と会い、ジャズスポットを訪ねて帰宅しました。暖かくて調子のよい一日でした。