店舗・事務所賃貸借契約書と初期費用の税区分(消費税)

事業をしていて不動産を借りるということは、よくあることです。

社宅を借りるとか、店舗・事務所を借りるとか。

その初期費用を会計ソフトに入力するにあたり、消費税の税区分でいくつか注意点があるので、まとめてみました。
なお、課税のものは、税率10%になります。

前年度に簡易課税制度選択届出書を出した方や、2割特例が使える方は気にしなくていいのですが。
2年前が売上高1千万円超で、届出を出し忘れた方は、経費の税区分が重要になります。

roku cafe(横浜駅西口)

家賃・管理費・共益費・礼金・更新料は

家賃・礼金・更新料といった名目のものは、支払いタイミングが異なるだけで、結局、家賃です。

初回は日割り計算されていることもあります。

事業所・事務所・店舗に関係するものであれば、「課税仕入」です。
社宅など居住用のものは「非課税仕入(対象外)」となります。
どちらになっているかは、契約書の内容で判断します。

大家さんがインボイスに登録している場合には、登録番号・税率・税額などの情報があるか、確認します。
登録番号がない場合は、一般課税の場合、「控除80%」等の処理をする必要があります。

諸費用は

初期費用について、不動産会社から領収証を受け取ると思いますが、いろいろコミコミの金額になっています。

内訳は、通常、契約書で確認することになりますが、はっきりしない場合は、不動産屋さんに聞いて、教えてもらいましょう。

保証料や損害保険料は、消費税が非課税なので、「対象外」で入力します。

仲介会社に対する仲介手数料は、「課税仕入」です。

初回に鍵交換費用を払っている場合は、「課税仕入」です。

月々、大家さんに水道代・電気代・トイレの備品代を払う場合も、「課税仕入」となります。

駐車場代が含まれているかも確認しましょう。
社宅として借りた場合で、必ず駐車場代が含まれる場合は「非課税仕入(対象外)」、オプションで追加できる場合は「課税仕入」です。

事業用建物を借りる際に権利金・立退料などを払う場合で20万円以上のものは、繰延資産となり、新築時でない・転売できない場合は5年で費用化することになります。
会計ソフトの科目上は、長期前払費用「課税仕入」とし、決算時に償却するときは「対象外」の費用とします。

保証金の償却に注意

店舗の場合、保証金の償却について、契約条項に定められていることが多いです。

償却とは、価値がなくなる、というくらいの意味です。
保証金の償却という場合、大家さんに預けたお金の一部が、返ってこなくなるということです。

初期費用の支払い金額のうちに、保証金がある場合は、不動産賃貸借契約書で、「いつ、何カ月分を償却するのか」を確認する必要があります。

契約時・契約から〇年経過時・解約時など、契約によりさまざまです。
規定のタイミングで必ず経費にするようにしましょう。

償却された金額は、消費税の税区分は、店舗の賃料と同様、「課税仕入」となります(消費税法基本通達6-13-9)。
預けたお金が、ただなくなってしまっただけだと思って「対象外」にしてしまうと、消費税を納税しすぎてしまいます。

償却されない「預け金」の部分は、「対象外」で入力します。

社宅用アパートのように「敷金」だと、退去時に返ってくることが多いですが、原状回復費用が差し引かれることがあります。
本来居住用の物件を事務所用として借りると、敷金になっていることがあります。

原状回復費用が差し引かれた場合は、消費税の税区分は「課税仕入」となります。
社宅用だと、家賃は「非課税仕入(対象外)」となりますが、自分でやるべき工事を大家さんにやってもらったことになるので。
ここは混同注意です。一般課税の方は、誤って対象外で入力してしまうと、消費税を損してしまいます。

近況報告

横浜ムービルで映画鑑賞。いまは相鉄ムービルではなく、109シネマズになっているようで。
かなり昭和の感じがする映画館。周辺含め、再開発が予定されているとか。

1日1新:
映画「アフター・ザ・クエイク」
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