2024年の平均給与は447.5万円/年。同等の手取りをフリーランスで稼ぐのに必要は売上は?

国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査結果」によれば、12カ月を通じて勤務した会社員の平均給与は、年収447.5万円だったそうです。

フリーランスになる方の9割は、もともと、会社員。
この平均給与は、いわゆる総額、額面です。
実際に振り込まれる金額、手取りはどのくらいになるのでしょうか?

そして、フリーランスになった後、同等の手取りを実現するには、どのくらいの売上が必要なのか、考えてみました。

外食するにも手取りから払うわけで(roku cafe @横浜)

給与の手取りは

会社員としての給料は、額面どおりもらえるわけではありません。
私は、勤めていたときは、手取りしか気にしていませんでした。

額面からは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・復興特別所得税・市民税・県民税・森林環境税が天引きされ、残りが手取りとなります。

給与収入4,475,000
社会保険料704,280
所得税79,300
住民税204,700
手取3,486,720

平均給与の447.5万円であったとしても、手取りは348.6万円ほど。98.8万円は引かれるのです。
※通勤手当0、社会保険料控除と基礎控除(2025~2026年)のみで概算

フリーランスの手取りは

348.6万円の手取りが欲しい場合、フリーランスでいくらの「事業所得」があればいいのでしょうか?

同様に概算すると、次のようになります。事業所得で設備等があり、事業税もかかったとします。
雇用保険料はかからなくなります。

事業所得は収支の残りですが、青色申告特別控除65万円が受けられた場合、お金が出ていかないのに所得が減っていますので、足し戻しています。
(控除後だと、4,259,000円)

事業所得+青色申告特別控除4,909,000
社会保険料831,150
所得税182,700
住民税326,000
事業税100,400
手取り3,486,750

事業所得が4,909,000円(青色申告特別控除前)だと、社会保険料や税金を引いた手取りがほぼ同額になります。

「447.5万円と490.9万円、あまり変わらないな」と、思われたかもしれません。

しかし、事業所得は、売上でも収入でもなく、収入から経費を引いた残りです。
売上がいくら必要かと考えると、もっと多い必要があります。

経費の割合が多いと、売上はもっと必要になる

仮に、売上の50%が経費だとすると、4,909,000円の2倍、9,818,000円の売上が目標です。

経費率が40%なら、4,909,000÷(1-0.4)=8,181,667円が目標売上。

経費率が30%なら、4,909,000÷(1-0.3)=7,012,857円が目標売上。

ここでの目標売上は、平均給与477.5万円の手取りをフリーランスの売上で再現するには、という意味です。

給与収入と比べると、かなり上がったな、と感じるのではないでしょうか。

経費は少ないほど、必要な売上が下がります。

目標達成のため、単価を上げれば売れにくくなりますし、単価を下げて量をこなそうとすると忙しくなります。
目標売上は低いほうが、達成しやすいのは確かです。

また、これらの概算から、平均給与くらいの手取りを目指し、かつ、消費者向けの商売で、経費率50%までなら、消費税の納税は必要のない売上水準(1000万円以下)になることも分かります。

経費が多いと、必要な売上は1000万円を超え、消費税の申告納税が必要になります。
B2Bのフリーランスになる予定で、インボイス登録を求められれば、1000万円以下でも消費税の納税が出てきます。

目標売上を決める参考にしていただければ嬉しいです。

近況報告

今日は自分の経理、お客様の記帳代行など。夜は研修。
今日のネタは業界紙を読んで思いつきました。

1日1新:短編映画「台風のノルダ」