『ふつうの軽音部』はなぜ何度読み返しても面白いのか

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『ふつうの軽音部』、ジャンプ+日曜日ランキング、1位おめでとうございます。

日刊SPA!、朝日中高生新聞などでも書評が出るほどで、みんな、幅広い層に良さを訴えたいのだなあと。

私は軽音部ではなかったけれど(兄は短期的に軽音部でしたが)、登場人物の心持ちがしみてきます。

面白いマンガでも 2 回目は面白いと思えないものも

超大好きなマンガでも、連載を読んでいると、単行本で読み返したときに、それほど感動しない作品、というものがあります。

でも、『ふつうの軽音部』がふつうじゃないところは、連載を読む → 単行本で 2 回目を読む となっても、まったく面白さが減らないどころか、読むたびに面白いという体験をするのです。

この違いはなんだろうと考えてみると、情報量の多いマンガか、そうでないか。

『新九郎、奔る!』も何度読んでも面白いですね。これは、情報量が多すぎて( 15 巻に出てくる太田道灌が、 1 巻にもちらっと出てるなど)、 1 回読んだだけでは拾いきれないから、というものです。

『ふつうの軽音部』も、まあ情報量は多いのですが、新九郎とは異なるタイプの情報量があります。

それは、読むたびに自分の中から勝手に情報が補給されるというものです。

新九郎を読んでも、自分が室町時代に生きていたわけじゃないから、自分が情報を補完することはないのですが、『ふつうの軽音部』は、それがあります。

本当に面白いマンガは、自分のことを話したくなる作品

村上春樹の小説は、世界中の人が共通して持っている「愛する人を失う哀しみ」に働きかけて、感動を誘っているから面白いのだと考えています。

たとえ、読んだ人がその作品を批判したとしても、その批判の内容が、読者の自己紹介になってしまう作品。

作品の欠点をあげつらうと、自分の欠点を自ら披露してしまうことになる作品。そういうのが、私にとって本当に面白い作品です。

『ふつうの軽音部』を読んでいると、その内容に引きずられて、自分の思い出がどんどん流れ出てきてしまうのです。

私も、高校の先輩がバンドをやっていて、その付き合ってる人もバンドをやっていて、その先輩と話ができてうれしかったりしたなあーと思って、作品のリアリティの陰影を濃くしながら読むので、面白さが減りません。

文化祭のバンド演奏を ECM-MS957 + TCD-D8 で録音したりしたものです。放送部 ( いまはなき HAVC )として、あとは楽しみとして。

現役中高生なら、その内容を実生活でリアルタイムに補えるので、それも楽しい体験だろうなあと想像します。

今後の展開が楽しみ

鳩野(主人公) VS. 鷹見(ライバルキャラ)との対決が、今後進んでいくのだと予想されます。

まだ、原作(ジャンプルーキー!)に追いついていないので、予想がつくのですが。

「ハト派とタカ派の対比が見事」と指摘されています。

ナンバーガールの「ガールズバンド版」を結成し、「流行ってる曲」を演奏するボーイズバンド鷹見 Protocol. との絡みが気になります。

このマンガを読まなければ、あなたは一生損をする! と言っておきましょう。

昨日のレジャー

鎌倉でレンタサイクルアプリを入れて、自転車を借りようと思ったものの、実行できず。