税理士の木村です。
税金の申告は、本来自分ですべきもの。
なので、できるようになった方は、自分でされるのですが、どうしてもわからないことが出てくるものです。
そういう、ふつうの感覚ではわからないご相談が、税理士に持ち込まれます。
イレギュラーに対処するのが、ある意味楽しくて、税理士をやっています。

15歳未満の確定申告 e-Taxで送信できない
この時代ですから、10代でもネットを使って稼いでいる方もいらっしゃるでしょう。
日本は資源がないので、その代わりに、各人の稼ぎに応じて納税して、日常を守っています。
そんな納税意欲のある若い方で、マイナンバーカードがあれば、e-Taxで確定申告ができるか。
それができないのです。
16歳以上の方のマイナンバーカードには搭載されている「署名用電子証明書(暗証番号)」が、15歳未満のカードには、ありません。
これがないと、確定申告書等作成コーナーの最後のところで、送信ができません。
「えっ、じゃあいままで入力した内容はムダに……?」
大丈夫です。少し「戻る」で戻っていただいて、画面末尾にある「ここまでの入力内容を保存」で、 r6shotoku.data というファイルを保存していただきます。
その後、確定申告書等作成コーナーのトップ画面に戻っていただいて、
- 「保存データを利用して作成」ボタン
- 中央の「提出方法の変更」ボタン
- 「マイナンバーカードをお持ちですか」の質問に、持っていても、「いいえ」を回答
- 「書面」のボタンを押す
- 保存したデータを選択(ダウンロードフォルダに入っていることが多いです)して、読み込み
その後、データは入力済みですので、「次へ」で最後まで進んでいただければ、PDFを印刷して郵送の流れに進みます。
確定申告して納税も済んだが、売上にもれがあって再提出した場合
確定申告書等作成コーナーで申告して、納税まで済ませた!
その後、控えの申告書(申告内容確認表)をつらつら眺めていると、売上がもれていることに気づいた!
ここで、まだ確定申告期限が来ていない場合(所得税は3月15日・土日祝の場合は後ろにずれる、消費税は3月31日!)、訂正申告ができます。
単に、保存データを利用して、売上の金額を修正して、もう一度送信するだけです。
申告期限内で、あとから出したものが、正しいものとして扱われます。
じゃあ納税はどうするか? 足りない分だけを納付することができるのか?
これが、できます。
- 納付書を手に入れて、当初の申告と、訂正申告の納税額の差額を記入して納税する
- クレジットカード納付を選んで、納税額の差額を入力して納税する
税金の世界では、筋のとおった処理をすれば、それが認められるようになっています。
このへん、JR東日本旅客営業規則の適用関係と似ていて、切符の買い方の例外処理も、鉄道会社が損をしないのであれば、駅員さんに話せば通じるのと同じだなあ、と個人的には感じています。
個人で、事業を2以上行っている場合
個人事業で、青色申告決算書を作成している場合、ふつうは、1枚だけ作ります。
ただ、やり手の方ですと、個人として、まったく異なる2つの事業を行うこともあります。
例えば、サービス業と小売を両方やるとか。
この場合の青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)はどのように作成するのか。
答えは、損益計算書を、事業ごとに1つずつ、2枚作り、貸借対照表は、その2つの事業の合計額で作るのです(所得税基本通達148-1)。
事業ごとに粗利率が違うので、損益計算書を分けたほうが、誤解を招かずに済みます。
減価償却や人件費関係も別々に記載することになります。
イレギュラーな事象が生じたら、税理士にご相談を。
編集後記
水曜日は、仕事のあと、ゲームセンターに行くことにしています。