私は、税金の納付書が苦手です。
あの独特の緊張感が。
替えの納付書はないのに、一回でミスなく数字を記入しなければならないからです。
途中までうまく書けていたのに、緊張してしまって、最後の一文字だけ書き損じてしまったことも、昔はありました。
近年のボールペンは筆圧がいらないので、いつものように書いていたら、複写がうまくされなかったり。
いまは、そんな手書きの重圧からは解放されています。ダイレクト納付の手続きを済ませているからです。
まだの方は、ぜひやってみましょう。
銀行に行く時間も、余分な手数料もなくせるからです。
※なお、個人の方は、e-Taxにログインして、「申請・納付手続を行う」」→「新規作成:操作に進む」→「ダイレクト納付利用届出書」からぱぱっと手続きができます。(国税庁:個人の場合のダイレクト納付開始手続き)

e-TaxとeLTAXの利用者識別番号(ID)を取得する
e-Taxの開始届を出しましょう。利用者識別番号という、IDを取得するのが第一歩です。
法人番号は事前に確認しておきましょう。国税庁法人番号公表サイト
なお、法人設立ワンストップサービスを利用された方は、法人代表者のマイナンバーカードを利用して、e-Taxを利用開始できます。
「電子申告・納税等開始(変更等)届出」を「申請する」ことで利用者識別番号が入手できます。
まず大丈夫ですが、自社の預金口座がダイレクト納付が利用可能かどうかは、利用可能金融機関一覧(ダイレクト納付)で確認ができます。
また、ネットバンキングサービスが開通していなくてもOKです。
法人は、地方税であるeLTAXについても、利用者IDの取得について、同様の手続きが必要です。これも法人代表者のマイナンバーカードが必要です。
税理士に利用者識別番号取得の代行を頼むこともできます。
所轄税務署にe-Tax(国税)のダイレクト納付届出を郵送
国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書
この届出書をダウンロードして、Adobe Acrobat系のPDFソフトで開き、必要箇所を入力したうえで、提出用・控え用の2部を印刷します。
印刷したら、2部ともに、氏名欄だけ、手書きで「法人名 代表者役職名 代表者氏名」を書きます。
「株式会社○○ 代表取締役 □□△△」といった感じです。
口座を開設したとき(または社長が交代したとき)に届け出た内容のとおりに記入します。
「通帳に記載がある社名だけではNG」なので、注意しましょう。
あとは、その銀行口座の銀行印(届出印)を押印します。
郵送の宛先は、最近は税務署ではなく、業務センター宛てになっていることが多いですので、確認のうえ、郵送しましょう。
金融機関に地方税のダイレクト納付届出を郵送
eLTAX(地方税)の場合は、利用者IDを取得できてから、ログイン後にダイレクト納付開始の届出書を入力します。
e-Tax(国税)と、いろいろな点で手順が異なるので、ちょっと頭が混乱しますが。
eLTAXだと、すべてパソコンから入力でき、手書きの部分はありません。
「株式会社○○ 代表取締役 □□△△」という社名・役職・氏名を入力するのは変わりません。
金融機関は、分かりやすくe-Taxと揃えておきましょう。
入力が終わると、3枚の用紙が印刷できます。
1枚目が重要で、ここに銀行印を押します。
2枚目はただの控えなので、手元に保管しておくだけです。
3枚目は宛名ラベルになっています。
届出口座の金融機関宛てになっているので、これを封筒に貼り付けて、郵送します。
e-Tax、eLTAXともに、1カ月後には、それぞれのメッセージボックスに完了通知が届きます。
e-Taxは「ダイレクト納付登録完了通知」、eLTAXは「口座登録通知(審査結果)」という名前です。
届出内容に不備があると、受け付けられなかった旨が表示されますので、特に社名・役職・氏名が正しかったか確認しましょう。
社名だけだと、確実に受理されません。「社名」と「代表取締役(合同会社だと代表社員)」と「氏名」の3つ正しく書いて、再提出となります。
これで、今後、納付書の書き損じにおびえる日々からは離れられます。
また、税理士に納税の手続きを代わりにやってもらうこともできるようになります。
編集後記
法人のお客様から顧問のご依頼があり、今後の手続きをご案内。夜は相続税のセミナーに出席。
1日1新:Dr.STONE

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細