インボイス登録した人の義務を確認する

インボイスに登録した方は、消費税の申告・納税をする義務があるのはもちろんですが、その他にも義務があります。

それを確認しておきましょう。

夕暮れの横浜スタジアム

ずっと消費税の申告が必要

インボイス登録して、Tで始まる番号がついた場合、ずっと消費税の申告が必要になります。

「2年前の売上が1000万円超の年の分、消費税の申告をする」というのは、登録していない人の話です。

売上が1000万円以下となっても、自然に申告がいらなくなることはありません。

そのため、登録する以上は、料金を値上げしない限り、消費税を納税する分、手取りが減ってしまうことになります。

「インボイス登録したから10%の値上げします!」が受け入れられれば、納税はそのうちの2割(2割特例が使える2024年分~2027年分)から4割なので、手取りは増えます。

登録すると値上げしやすくなるなら、登録していてもいいかもしれません。

そもそも値上げしたら需要がぐっと減退するお仕事の場合は、登録せずに、納税しないで済む分、安値で訴える方法もあるでしょう。

インボイスを求められたら出し、控えを保存する必要

インボイス登録したら、従来出していた請求書や領収書を、インボイス対応する必要があります。

領収書などに、自分の登録番号・税率・税額などが印字されていなかった場合には、追加しておきます。

メールやデータでインボイスを出すとき、登録番号にハイフンを挟まないようにしましょう。もらった側が楽になります。

店舗などで、来店したお客様にそのつど領収書・レシートをお渡ししていた場合は、簡易インボイスとして、登録番号と税率のみの追記でOKです。

手書きだと、登録番号+税率(食品・新聞配達8%、それ以外10%)のゴム印で対応することになろうかと思います・

売上にかかわる書類をインボイスにしたら、控えを保存しておく必要もあります。

Excelで作った請求書なら、経理はExcelインポートして、書式をPDFで残しておく。

freee会計などの会計アプリで請求書を作った場合は、意識せずとも保存されるので、それでいいでしょう。

インボイス登録をやめても、過去に登録していた期間について、さかのぼってインボイスを求められたら、お客様にお渡しする必要があります。(この場合に保存していたインボイスをメール等します)

やっぱりインボイス登録をやめたいときは

登録をしたものの、結局「インボイスください」と言われれることがほとんどなかった、ということで、登録をやめたいというケースもあるでしょう。

それも、今年からやめることはできません。来年から登録をやめることになります。

その場合、原則として、今年の12月17日までに「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を出せば、来年から登録をやめられます。

ただし、登録した年と、その翌年、翌々年は、消費税の申告が必要なままになります。

2024年にインボイス登録して、2024年12月17日に登録取消しの届出を出しても、2025年・2026年は消費税の申告納税をします。

インボイスを出す義務のない、消費税の課税事業者という状態になるので、要注意です。

ステータスが、「免税事業者」→「インボイス登録していない課税事業者」→「インボイス登録している課税事業者」の3段階あるわけです。

2025年の売上が1000万円以下であって初めて、2027年から免税事業者に戻れることになります。

編集後記

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