小学生のころ、小遣い帳をつけていました。
現金の入りと出だけを記録するものです。
お小遣いやお年玉をもらったら収入金額に、カードダスやガチャガチャを買ったら支払金額に。
残高を記録して、次のページに繰り越していく。
これも一種の簿記です。単式簿記といいます。

小遣い帳では、現金残高の推移はわかるが、内訳が不明
複式簿記があるなら、単式簿記があり、その一つが小遣い帳です。
複式は、ダブル・エントリー、2回記入する。単式はシングル・エントリー、1回しか記入しない。
小遣い帳は、現金の残高の推移だけを記録しています。
記録だけでは不十分で、最も重要なポイントは、小遣い帳の残高を、実際の財布に入っているコインやお札を集計した金額と合っているか、確認することです。
残高と実際の現金の額とに違いがあれば、収入金額・支払金額に、金額の間違い(抜け、もれ、二重計上)があることになります。
現金という財産の動きにもれがないように管理するのが、小遣い帳型の単式簿記です。
ただ、支払が子どもの遊びのような、単一目的しかないならともかく、大人になったら使途別に集計したいところですが、シンプルな「現金出納帳」型のノートでは、収入や支出の分類はできません。
家計簿では、収支の内訳はわかるが、それが本当に全部かが不明
あとは、家計簿スタイルのノートをつける方法もあります。
水道光熱費、家賃、教育費、通信費、食費、衣料費……と科目ごとにつけていく。
支払の目的別に管理するので、毎月の推移を見れば、今月は使いすぎているな、と気づくことができます。
ただ、これだけでは、ほんとうに全部の収支をつけたのか、確証が持てません。
収入・支出のたびに、残高を記録していないからです。
支払手段も現金、SUICA、カード、自動引き落とし…などを問わずにつけているので、もれに気づかないこともあります。
ただ、毎月の科目ごとの推移を見れば、あれ、今月は新聞代がないぞ? ないはずないので、記帳がもれているのでは? と気づくこともできます。
家計簿型は、利点と欠点が、現金出納帳スタイルとちょうど逆になっています。
じゃあ、この2つを組み合わせればいいのでは?
では、日々の収入と支払を、科目ごとに分け、かつ、現金等の残高も記録しればいいのでは? と思うでしょう。
それが、複式簿記の一番シンプルな形です。
事業用の預金なり、現金なりを使って、支払手段ごとに科目で分類し、残高は、実際の現金残、通帳の残高、クレジットカードの請求予定額と合わせられるようにしていく。
ということができて、初めて複式簿記になっていきます。
現預金だけでなく、仕事をしたときに発生する請求書で未収のものは、売掛金になります。
納品されて請求書を受け取ったが未払のものは、買掛金になります。
ここまでできて、初めて、青色申告の55万(e-Taxで65万控除)が受けられます。
全部、事業主貸・借で処理していたら、それは、単式簿記だと考えています。
収支の内容別に分け、かつ、帳簿の残高を実際のモノや権利義務と合わせる。
これが商売のバックオフィスの基本です。これをやっていきましょう。
編集後記
今日は横浜市港南区役所で医療費還付申告受付の仕事。
民間出身の私としては、確定申告書の欄外にある役所の処理欄に記入や収受印が押せる夢の仕事でした。