会社にとって、お金を支払うことは、大事です。
理由なく支払いを遅延したり、払わなかったりすると、取引先からの信用が下がります。
いまは、物価が上がっているので、安いうちに借入をして大量発注しようとしても、受けてくれなくなるかもしれません。
きちんと期日までに支払えるよう、管理をしましょう。

買掛帳を作る
外注先や支払先が多く、自動引き落としでない場合、買掛帳を作ります。
ネットを探せばフォーマットがいろいろありますが、Excelでご自分で作成してもよいです。
支払先ごとに、今月末の未払い額がわかるようになっていればいいのです。
月初残高/今月発生/今月支払/月末残高 の4列を作り、1行ごとに取引先ごとの請求書の金額を入力して管理します。
- 月初残高:先月の仕入れ分で、まだ払っていないもの
- 今月発生:今月の仕入れ分
- 今月支払:今月の支払い金額
- 月末残高:今月末時点の未払い金額
今月発生には、仕入・外注費のうち、現金・当座預金・普通預金・前渡金・手形の裏書によらないものを記入します。
買掛帳には、現金仕入れ・口座引き落としなどは記載せず、掛け仕入れ(後払い)だけを記載します。
今月支払には、決済手段が複数ある場合は、内訳を作るとよいでしょう。
振込額にも影響しますし、決済手段に応じて、経理の勘定科目が変わるからです。
- 振込
- 現金・小切手払い
- 手形払い
- 為替手形の振出
- 自己振出の約束手形回収
- 振込手数料先方負担の額
きっちり管理すれば、「ふつうの軽音部」の水尾兄のようなことにはならないはず。
振込手数料受取人負担に気を付けよう
ネットバンキングでは、振込手数料の受取人負担にチェックを入れると、入力した請求書の金額から、自動的に振込手数料分を減額して、相手に振り込む処理をしてくれます。
ただ、これは銀行によって仕様が異なり、自分で振込手数料と同額を減額して入力する必要があるものもあります。
すると、複数のネットバンキングを利用している場合、振込手数料分をマイナスした金額を入力したうえで、「振込手数料受取人負担」にチェックをしてしまい、「請求額-振込手数料先方負担額」よりも、さらに少ない金額を振り込んでしまうミスが起こりえます。
買掛帳を作っていると、月末残高が、その仕入先・外注先について、振込手数料の数百円程度、残高が多く残ってしまうことになります。
この場合は、先方にすぐ連絡して、できれば、来月の振込額を、不足額と同額増やして振り込む、つまり、振込手数料当社負担の処理をすることで、不足額の解消を図るよう、合意を図りたいところです。
(2回振り込むのは、手間ですので)
請求書の当月ご請求額を確認
受け取る請求書には、さまざまな形式のものがあり、買掛帳に転記すべき今月発生の金額にミスも生じえます。
特に、経費の支払いが2カ月後の月末の場合、買掛帳の月末残高には、2カ月分の金額が残ります。
請求書に、「当月ご請求額」と、「前月繰越額との当月分との合計額」の2つの欄がある場合は、注意が必要です。
誤って、2カ月ぶんの累計額を転記しないようにしましょう。
買掛帳に転記する前に、「当月ご請求額」にマークするなどして、転記ミスを防ぎたいところです。
また、個人の外注先への支払いは気を付けましょう。
源泉所得税を引いた金額で請求書を作成してくれることがほとんどですが、源泉所得税を引く前の金額を今月発生に転記してしまうと、振込みすぎてしまう恐れがあります。
源泉所得税分を返金してもらったりするのも手間ですので、気を付けましょう。
振込みするときは、決まった支払日を設けて、買掛帳を参照しながらまとめて振り込むこととし、支払もれがないように、経理を行います。
請求書の原本にも、支払済みが分かるよう、メモ、ハンコ、別のフォルダに移す等の処理をしておけば万全です。
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1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細