モノンクル、青天白日MVプレミア公開に至るまでの歴史

モノンクル(当初:ものんくる)は、TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」で2013年ころに知りました。

当時の放送音源を聞き返すと、2011年~12年には、すでに「菊地さんが最近聞いたすごいバンド」として名前が挙がっていました。

そんなモノンクルが、7年ぶりのニューアルバムと、ミュージックビデオ「青天白日」のプレミア公開(本日)をしたので、いちファンである税理士の木村が、モノンクルについて書いてみたいと思います。

アコースティック・モノンクル

Amazon.co.jp: SARA: ミュージック 2011年作品

2013年に菊地さんプロデュースでアルバムをリリースする前にも、すでに自主流通版のようなものがAmazonで売っていました。(リンクはすべて、アフィリエイトではありません)
これは、残念ながら聞いたことがありません。

Amazon.co.jp: 飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち: ミュージック 2013年作品

エアプレーンレーベルから発売された次作は、菊地さんと共同制作の「FLOWER」という曲があり、私はこの曲で、菊地成孔とモノンクルのファンに同時になったのでした。(サックスソロをループ再生して楽しんでいたくらいです)

なぜかジャズレーベルという扱いだったために、雑誌『ジャズジャパン』に最も小さいスペースでレビューが掲載されていました。
当初、メンバーがジャズを志向していたために、こうなっていました。

1曲目が12分もあり、「FLOWER」もモノンクル特有の「4、8、16じゃない変なリズム」であるなど、ジャズ要素はあるのですが、別にジャズとして売らなくてよかった気もするのです。

Amazon.co.jp: 南へ – ものんくる: ミュージック 2014年作品

次作、「南へ」の発売前後でモノンクルのおふたりが結婚します(当時、非公開)。
ラジオでは「歌詞は宛て書きなの?」とからかわれたりしていましたが、菊地さんはご存じだったのかどうか。

菊地さんがソニーと契約したことで、関連プロデュースミュージシャンもまとめてソニーでメジャーデビューを果たします。

この作品は、ジャズジャパンアワードの新人賞を受賞し、今度売却(セール&リースバック)される横浜の日産グローバル本社ギャラリーで無料ライブがありました。

来場者は高齢者が多く、私たち夫婦は、当時3歳の子どもといっしょに楽しみました。
ライブ後は、おふたりと軽くお話もできたものです。(合唱やってたのでは?と聞いたりしました)

このアルバムでも、菊地さんとの共作があり、あまりに良い曲(EVE NO LUCKY DAYS)なので、私は当時、モノンクルが好きなのか菊地さんが好きなのか、よくわからなくなっていました(両方好きですが)

エレクトリック・モノンクル

Amazon.co.jp: 世界はここにしかないって上手に言って: ミュージック 2017年作品

アコースティックからエレクトリックへ、というとなんだかマイルス・デイヴィスみたいですが。
サウンドが電化します。その前から、「電気ものんくる」名義でライブをやったりしていましたが。

菊地さんプロデュースのミュージックビデオも、いまから見れば「そういうことか」と思ったりするのです。

ここで、「空想飛行」という名曲が生まれるのですが、やはりジャズ扱いで、ほとんど露出せず。
もう、ぜんぜんジャズでなくなった気がするのですが。

キャッチコピーは、震災後の世界に鳴らす音といったようなもので、2011年デビューというのにかかっている気がします。

歌詞も、初期の「希望」から本作収録の津波災害のサウンドスケープ「the dawn will come」まで、常に震災後の世界について歌っていたモノンクルでした。

その後、「魔法がとけたなら」という「ものんくる」名義の最後のミュージックビデオが公開されたのですが、そこにソニーの「タブーレーベル」の文字はなく、菊地さん関連は移籍、ものんくるだけソニーに残されます。

この曲自体、完全に過去のものんくるの姿から離れたポップス作品でした。

菊地さんプロデュースもなくなり、後半のラジオやSNSではなぜか喧嘩別れしたようなムードになっていました。
ジャズの世界ではよくあることですが。

しかし、そこで角田さんも言っていたように、「菊地さんの血を受け継いでいる」のがモノンクルであるとも思うのです。

セルフプロデュース時代のモノンクル(現代)

Amazon.co.jp: RELOADING CITY: ミュージック 2018年作品

ソニー内の他レーベルに移籍したモノンクル。名前もカタカナに変わります。
渋谷の再開発とコラボした表題作、tofubeatsリミックスが売りでしたが、先行配信シングル「夕立」が、菊地さんの血を濃く受け継いだ作品として、大好きでした。

ふつうの4拍子なのに、3拍目が強く打たれることで不思議なリズム感が生まれています。
それでいて歌詞も、あまりに美しい。

でも、例によってあまりはやらず、音楽マニアやプロの間で評価の高いアーティストという感じになっていきます。

その後、ビールのCMソング、往年のヒット曲のカバー(アポロのカバーが人気だったので)、女性コミックとのコラボ(ヨムオト#9、#10。モノンクルの公式チャンネルにはない)、コロナ禍ならではの歌、と、売り出すための工夫がなされ、パワープレイ(GOODBYE)も行われました。

NHKラジオ第1放送の「ヒャダインの音楽室」でも紹介されたりました。

その長い道のりの結果、クロスシーのCMソング「Every One Minutes」がちょこっとヒット。

そして、レコード会社と同じ系列のメーカー・ソニーのスマホ Xperia の最上位機種のCMソングに「Higher」が起用されます。

製品のプロモーションビデオにも出演しました。
が、肝心のCMでは、楽曲はほんの2~3秒しか使われず、モノンクルのクレジットがあったものの、誰も気づかないという悲しいことに。

しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、クロスシーのCMソングのおかわり「READY」という名曲も生まれました。

コロナ禍では、なぜか、深夜帯に男女ふたりが自宅のような場所でインスタライブを繰り返していて、視聴者の反応が「この二人の関係性は????」という状態になっており、夫婦であることを発表したのもこのころでした。

アニメのエンディングテーマタイアップ「salvation」が、モノンクル最大のヒット曲となり、CDシングルも発売されました。

Amazon.co.jp: salvation (期間生産限定盤): ミュージック 2022年作品

つづいて、With ensembleシリーズで過去のシングルをリアレンジしてMV、デジタルシングルが出ました。あまり売る気は感じられませんでしたが。

ソニー時代のラストは、ふたたびソニー・Xperiaのプロモーションビデオ出演、「二人芝居」のライブ映像も発表がありました。

Amazon.co.jp: 僕ら行き止まりで笑いあいたい [Analog]: ミュージック 2025年作品

その後、再度のレーベル移籍を経て、最新作が7年ぶりに発売され、今日、ミュージックビデオも公開された、というわけです。

「二人芝居」の完全版も収録されています。

最新アルバムには、「異星人※」など、ライブでのみ演奏された曲がすべて収録されたわけではないものの、Perfumeのようなフロア対応、7拍子の曲(DC/PRGのCircle~LINEでクラブで踊っていた人には最適な)もあったりして、モノンクルの血脈は続いています。

※以前、横浜でフリーライブがあり、聞いた曲。ライブ後、見かけた角田さんにサインをもらいました……。

ミュージックビデオ「青天白日」の歌詞世界は、新海誠監督の映画の世界のような、令和にはめずらしいまっすぐなラブソング。

そういえば、「空想飛行」にも、当時大ヒットした映画「君の名は。」から引用された「君の名は」という歌詞も存在していました。

よかったらぜひ、聞いてほしいなと思います。
横浜の税理士、木村でした。

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フリーランスのお客様の質問メールに回答、法人のお客様の月次を完了、NPO法人の決算を完了。と、仕事多め。
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1日1新:Raycast for Windows(本日リリース)