税理士に仕事を依頼するなら、単発相談と税務顧問に分かれます。
税理士に依頼したことがない方から、その違いは何なのかご質問を受けましたので、まとめました。

比較表にすると
項目 | 単発相談 | 税務顧問 |
税務署への申告・届出は | ご自分で行っていただく (申告書に税理士署名なし) | 税理士が代行する (申告書に税理士署名あり) |
決算書・申告書の作成は | 時間内での自力作成をサポート | 完成まで請け負う |
費用面は | 1回で解決すれば安い | 1年間継続するので高い |
税務調査の連絡は | ご自分に電話が来る | 税理士に電話が来る |
メール相談は | 1回あたり2往復程度 | 月に複数回相談できる |
契約書の有無 | 契約書なし(請求書のみ) | 契約書あり(クラウドサイン) |
基本、自分でできるのだけれど、分からないことがはっきりしている方は、単発相談がよいでしょうね。
あとは、予算面で、顧問料の負担が難しい場合も、こちらです。
単発相談であれば、税理士会やNPO法人支援団体の無料相談もありますが、時間が30~40分ほどなので、どうしても一般的な回答になってしまいます。
税理士に依頼すれば、個別の事情に応じた回答が得られます。
無料相談としてのAI利用はどうか
いまだとAIで税金の相談もできます。
しかし、実際に使ってみると分かりますが、最後には「会計士や税理士にご相談を」と出てきますね。
それでご安心いただけるのかどうか。
税理士に頼んで、絶対安心といえるかというと、絶対までは請け負っていません。
会社の決算の利用者、相手があることですので。また、税理士が作成した決算書・申告書も、提出前には最終確認を、お客様にお願いしています。
やはり、事業を行っているご本人のチェックが、安心に近づけるために必要だからです。
絶対安心という言葉はあるが、存在はしない。でも、できるだけ近づけるために、税理士への依頼を、単発でも顧問でも考えてみていただければと思います。
AI、単発相談、税務顧問、どれを選べばいいか
実際に選択するとなったら、予算と安心でお選びいただければ。
お金がなければ依頼はできませんが、依頼して時間が生まれれば、さらにご自分の売上が立ち、税理士費用を超える可能性もあります。
特に時間がない方は、記帳代行もご依頼いただければいいのかなと。より費用はかかりますが。
税理士のほうで会計ソフトの入力環境を整えてから、ご自分で入力するプランに切り替え、費用を抑えることもできます。
ご自分でできることが増えれば、費用は減りますね。
AIの言っていることの成否が分かれば(AI以外の本で検証するとか)、AIでもいいのではないでしょうか。
また、分からないことがはっきりしていれば、単発相談。いまやっていることが正しいのか分からない、ぼんやりしているという方は、税務顧問がいいのではと思います。
税理士によって料金はけっこう幅がありますので、いろいろ比較してみるのもいいかと思います。
予算の範囲内で、より安心に近づくものは何か、で選んでみては。
編集後記
先日は、授業参観に行ってきました。いまの子は、楽し気に真面目にやっているなあーと感心。それでもちょっと前は荒れていた時期もあったそうなのですが……。
今日は新規の税務顧問のお客様に初回手続きを。あと、私の出している小冊子『横浜ではたらくフリーランスの守りの種』の郵送を。
1日1新:そば処 戸隠 伊勢佐木町店

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランス・独立間もない個人事業主・法人設立を検討中の方のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細