経理は真実から積極的に離れないこと

昔から新聞はよく読んでいて、就活のときは新聞社を受けたこともあります。
最近買っていませんが、週刊文春のことはわりと好感を持っています。

いずれも、基本的には、真実を追求しているという体になっているからです(昔、関連業界にいたので、裏側も知ってはいますが)。

「新聞・雑誌は虚偽を報道するから信じられない」というお話しもよく耳にしますが、基本的には間違えたら「お詫びと訂正」を出すのも新聞・雑誌(報道)の仕事です。
毎日ニュースを出していて、誤報が一定程度あるのは、避けられないでしょうから。

日本大通りにあるニュースパーク 新聞博物館(子どもたちが好きで何度も行っている)

真実なんて存在するか、たどりつけるか

税理士の仕事も、事実をベースにする仕事です。
真実の追求をしているとまでは言いませんが。

個人的に、私は、「ウソはダメ」と言える仕事、「事実に近いほどよい」という仕事がしたかったのです。

一方、父から、「真実にはたどりつけないものだ」という言葉を聞いたことがあります。ひとつの真理であると思います。
世の中、「藪の中」ということはありますから。

とはいえ、妖精を探求するよりはましです。ぜったいにないものを探そうとしているわけではないので。
真実、事実に近づいていこうという姿勢は大事です。

税務や経理に関して言えば、期限があり、人員の限界があるので、いきなり真実度100%にはならないでしょう。
それでも、毎年、パーセンテージを上げていきたいものです。

経理は完璧主義では務まらない – 税理士 木村将秀のブログ

税理士の税務顧問や、単発相談は、このパーセンテージを上げるためにサポートする仕事であると考えています。

真実から積極的に離れない

経理の仕事をするうえで、大事なのは、真実から積極的に離れようとしないことです。

よく見かけるのが、飲み会の場で、事業主の参加者が、割り勘したレシートをもらっている場面です。

経費にして、税金を減らそうというのでしょうが、他の人が払った分、ご自分の「純資産」は減っていないはずです。

ごく単純化して言うと、預金残高-未返済の借金残高=「純資産」です。

「純資産」が減ったら、税金が減るというのが自然な数字の関係です。

「純資産」が減っていないのに、税金が減っているというのはおかしい。
それをOKにしてしまうと、今後いろんなことがOKになってしまいませんか?

会計ソフトへの入力に慣れてきた今こそ振り返りたい原理原則 – 税理士 木村将秀のブログ

積極的に、本当にあったことと異なる書類を作ったり、会計ソフトに入力したりしない。
「隠されたら終わり」の現金は、入金や出金の記録を残すか、扱いを減らす(その日の売上を、つど銀行に預け入れて、「モノ」を数値化するなど)。

経理における真実の追求とは、このくらいでいいのです。

真実度の高い数値をつくり、判断しよう

最近読んだ『虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ』にも、銀行家が、盗まれたことを隠すため、損失(借方:費用)を貸付金(借方:資産)として仕訳して、金銭消費貸借契約書を作成しようとする場面が出ています。

やっていることは、「盗まれても警察に通報しない銀行」、ちょっと考えれば分かりますが、あまりにも危険です。

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これは極端な例ですが、真実度を上げようと思ったら、単に、毎日経理をすればいいのです。

あとでやろうとすると、「このレシートなんだっけ?」とか、「あのレシートどこいった?」となってしまい、正確性・網羅性が下がってしまうからです。

せっかく経理をするなら、正確度の高い数値をつくり、次の一手を打つための判断材料にしましょう。

編集後記

家族で横浜開港166周年イベントY166に行ってきました。さすがの人出です。

1日1新:象の鼻パーク スケートボードマスターチャンピオンシップ観戦
日本大通り ベーカリー三三