あなたは、本や映画や音楽で、その作品を100%理解できたこと、一体感を得たことがあるでしょうか。
私にとっては、それが『ハイスコアガール』でした。90年代の格ゲーブーム真っ只中のゲームセンターを舞台にした漫画。
「ガール」というファンタジー要素以外は、そこで描かれる事実やプレイヤーの思いは、まったくの本物であることが、当時を体験した者には分かります。
で、本作はその続編、10年後の2007年が舞台です。前作同様、主人公はマイナスからのスタートですが、小学6年生のマイナスと、28歳のマイナスとでは大きく違う。ひたすら、「←タメ」が何話も続き、1巻のラスト2話で、一気に「→+P」が発動します。あなたの過去に起こった、血の沸騰も全身の高揚も、本物だったはずです。
かすかな震えの線を入れるだけで、言葉と裏腹におびえている様子を描写するなど、細部も読んでいただきたい本です。
2巻は9月25日発売予定。