入金ベースの売上を、どう発生ベースに直していくか Airペイ等の売掛金の経理

新しい仕事を始める方が増えています。

最近だと、親御さんの店舗兼住宅を活用して、親の廃業を期に、空きスペースで子世代が新しいビジネスを始めているな、というのを見かけます。

※写真は本文と関係ありません

その初期投資を、銀行の創業融資などで賄っている場合、経理は発生主義で「会計的に正しい」処理をすることが望ましいです。

仕事を進めていくうえでは、お金がいつ入ってくるか、いつ出ていくかを知っておくだけでも回っていきます。

でも銀行のような第三者に説明するとなると、入出金ベースの経理=現金主義では、「もうかってますよ」という説明にはならないからです。

月1回入金される場合、いつまでの分がいつ入金されるか確認しよう

この通販サイトを使うと、毎月20日に入金されるんだよな、という場合。

その入金額は、いつからいつまでの間に、「何をした」分の売上でしょうか。

通販サイトの支払明細書をよく読んでみましょう。

「〇月×日~〇月△日発送分」とかなっていませんか。

締め日までに発送できた分の代金が、翌月20日に入金されるルールです。

その通販サイトは発送日を基準に売上を集計して、入金してくれるのです。

通販サイトの管理画面では、さまざまな日付データがあります。そのデータを集計する際は、「発送日」や「出荷日」というところをチェックします。

たとえば、「受注日」というデータがあっても、それは使いません。

仮に、わかりやすく「締め日=月末」の場合、発送日が今月末までのデータを集計して、「その月分」の「売掛金/売上高」という入力をすることになります。

すると、翌月20日に入金される金額+天引きされる売上手数料=今月末の売掛金残高 ということになります。

分からなくなってしまったら、入金額に売上手数料を足し戻して、前月末の売掛金残高を逆算してみましょう。

管理画面で発送日が分からない場合、支払明細書が届いてから「売掛金/売上高」の入力をします。

決済手段がAirペイ QRの場合、この、月末締め、翌月末1回払いになっています。

入金(振込み)サイクルと振込金額の確認方法 – Airペイ – FAQ – (airpayment.jp)

Airペイのように月3~6回入金される場合

一方、通常のAirペイは、銀行によって月3回から6回入金されます。

入金(振込み)サイクルと振込金額の確認方法 – Airペイ – FAQ – (airpayment.jp)

また、その締め日も、月末日の前日になっています。

翌月5日に入金される金額+天引きされる売上手数料=今月末の売掛金残高になります。

そうなるように、販売時に「売掛金/売上高」、入金時に「普通預金/売掛金」を入力していきます。

5日入金分は、締め日が末日前日のため、今月の「売掛金/売上高」としては、その分が含まれていません。決算のときに、末日販売分を追加で売掛金に計上する必要があります。

そのほかの売掛金分は、今月末日入金なので、残っていないはずです。月末入金が土日祝の場合、前倒しで入金されるからです。

決算に関しては、税理士にチェックしてもらってもいいですね。末日分の売上が漏れがちな気がします。

消費税が2割特例・簡易課税でない場合は、Airペイ振込明細を確認しよう

Airペイは便利な決済サービスで、交通系ICのようなチャージ型(前払型)にも、クレジットカードのような後払い型も一括して処理してくれます。

しかし、前払型の決済手段と、後払い型の決済手段とでは、手数料の消費税の扱いが違いますので注意が必要です。

Airペイ管理画面 振込明細の確認とCSV出力 – Airペイ – FAQ – (airpayment.jp)

「全項目(インボイス/適格請求書)」のCSVをダウンロードして(これが電子インボイスになります)、

  • 売上手数料(課税10%対象) →課税仕入れ
  • 売上手数料(非課税) →非課税仕入れ または 対象外

を分けて経理しましょう。

ふつうのカード決済と同じだと思い込んで、売上手数料の消費税の課税区分をすべて「非課税」や「対象外」で入力していると、「一般課税」で消費税の申告をしている場合、納税額が多くなってしまいます。

正しく消費税の処理をすることが、消費税の節税の基本となります。

今日のはじめて

東京地方税理士会横浜南支部・事務局
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