国家資格の専門家にはいろいろありますが。
登録時にハンコ(正式名称は、印章)の作成を求められる専門家と、そうでない専門家があるようです。
税理士は、登録時にハンコを作ることを求められません。
他の士業では、ハンコ屋さんをあっせんされることもあるそうです。で、高額なハンコをすすめられる。もちろんそこで買う必要はありませんが。
ハンコの有無は結局、業務上、紙が必須かどうか、というところにあるように思います。
税理士は、もう、紙を必要とはしないですね。
紙は何のためにあるか。
他人に見せるためにあるわけです。
その見せる方法は、企業間のやりとりでは、PDFをメールにつけて……というのがふつうになるなど、印刷にとらわれなくなっています。
専門家が作成した証拠としてのハンコを押して、役所に出すのが昔のやりかた。
今、税理士は、作成した申告書をXML等のデータにして、税理士専用のID・パスワードを用い、さらに税理士専用の電子証明ICカードによる電子署名をつけて、役所に送信します。
こういった手続きが、サインやハンコの代わりであるわけです。
ハンコの介在する余地は、どこにもありません。
私も税理士としてのハンコは持っていません。
税務署以外の行政とのやりとりでも、押印欄廃止の政策の影響で、 (印) の印字がないものが増えました。
これの何がいいかというと、紙の書類が必須の手続きでも、先方に記入さえしてもらえば、スキャンデータをメールで受け取り、役所に出せるということです。
いま、ハンコを求められるのは、銀行関係(銀行届出印)、不動産取引くらいではないでしょうか。あと、一定額以上の退職金の受け取りに、実印が必要だったりします。
あ、税理士会では、ハンコを押す欄のある書類がいくつかありました。なのでいちおう、ハンコと朱肉は持ち歩いてはいますが。
ハンコのない世界のほうが効率的です。そこを探して、生活していきたいものですね。