税務エッセイのすすめ『守之節 税理士のワビ、サビ、洒落、そして作法』

大きな本屋に入ったら、税務・会計の書棚を見るのですが(これが、税法が法律扱いされてない証拠と述べるのが『プレップ租税法』)、Twitterで見かけた本があったので買ってみました。

税務職員出身の税理士として知られる著者の本には初めて触れました。出生から語り始める斬新な内容。嵩高紙を使っていて、厚みの割にすらすら読めます。実務書や業界誌、受験テキストを読むのに疲れたら、税務エッセイはどうでしょうか。寄附金、交際費等に関心がある方におすすめです。

まず自分の感性で現実を捉えよ、通達の背景にある人の営みを想像せよと著者は述べます。また、「税法には実務をよく知らない人が作ったものがあり、それは批判すべきだ」という主張は、昨今の電子帳簿保存法改正にもつながっています。

で、これが遺作とぜんぜん知らずに読み始めたので、あとがきにはびっくりしてしまいました。

山本守之著、2021年11月1日発行、中央経済社