自分で決算をしている方に、やってほしいことがあります。
それが、決算のチェックです。

会計ソフトの数字はリアルと直結している
試算表から貸借対照表を開いてみてください。
そこで、期末の残高の数字がリアルと一致しているか、確認してみましょう。
勘定科目「現金」が期末に14,500円とあれば、期末時点の事業用の金庫(財布)を開ければ、例えば
- 1万円札 1枚
- 千円札 4枚
- 百円玉 3枚
- 50円玉 3枚
- 10円玉 5枚
というふうに、リアルのお札とコインとぴったり合うはずです。
「現金」の残高がマイナスなら、ぜったいにおかしいわけです。マイナス330円とか、紙幣やコインでどうやって表現します? 表現できないので、会計ソフトのデータが間違っているわけです。
「普通預金」であれば、決算日と同じ通帳(ネットバンク)の残高と合っているはず。
「売掛金」であれば、翌期首に入金される金額+当方負担の振込手数料と一致しているはず。
まず、こられが合っているかを確認しているだけで、けっこう精度が上がります。
合っていなければ、原因を究明して、会計ソフトの入力を「リアルに合わせて」直せるからです。
会計ソフトのデータに合わせてリアルを直してはいけません。逆です。リアルの数字と残高一致するように直します。
売上は〇月分の請求書1年分と一致している
大事なことを言いますと、売上は、入金時に入力するのではありません。
売上は、現金の入金時に入力するのではない – 税理士 木村将秀のブログ
毎月請求書を出されているのでしたら、その控えを「〇月分」の請求書を1年分Excelで集計してみて、その結果が、会計ソフトの「売上高」の期末の残高と一致しているはずです。
税込経理なら、消費税込みの請求額が、売上高になっています。税抜経理なら、税抜の本体請求額が、売上高です。
会計ソフトの数値は、AIが入力してくれているから、と安心してはいけません。
AIの出力結果が正しいのか、検証するのは人間の仕事です。
検証するには、会計ソフトの数字を何かとぶつける必要があります。
その一つが、理論上、この金額になるはず! と、経営者として集計した年商なのです。
これは、通帳で入金額を確認せずに集計できるはずです。
毎月同額の経費が発生するはずなら、会計ソフトもそうなる
会計ソフトによっては、毎月の数字を月ごとに並べる機能があります。推移表とか、月別総括集計表いった名前があります。
これは、その月の売上と費用を横に1年分並べて見られる機能です。
これが、経営者にとって見やすく直感的にチェックできる資料として、おすすめです。
例えば、毎月お金が出ていく家賃や月極の料金は、地代家賃や支払手数料など、どれかの勘定科目に毎月、ほぼ同額が入っているはずです。
そのはずなのに、ある月はその費用が0円だったりしたら、通常はおかしいです。
毎月発生するはずの費用が12カ月分あるか、確認しましょう。
- 貸借対照表の残高が、リアルのお金と合っているか
- 売上高が、期首月分から期末月分までの請求書控えの合計額と合っているか
- 推移表を見て、毎月払っているお金が毎月同額、その勘定科目に表れているか(売上も同様です)
編集後記
会計ソフトの数字の見方に関するWebセミナーを受講。

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランス・独立間もない個人事業主・法人設立を検討中の方のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細