リース債務がリース支払予定表と合わなくなる理由
決算は、貸借対照表(B/S)の資産・負債の残高を、外部の資料の金額と一致させることで行います。
たとえば、「預金や借入金の残高を、銀行が発行する残高証明書に一致させる」ということですね。
さて、リース債務(長期未払金)です。
決算書のリース債務(リース会社に支払うべき残額)は、リース会社が発行する支払予定表の、決算月の残金と合わせるのが原則です。通常は、合います。
でも、これが合わなくなることがあります。
それは、複数のリース物件をまとめてリース開始した際に、そのうちの一部を解約したり、入れ替えたりした場合です。
リースの支払予定表には、当初のリース残債の支払予定と、その残りしか記載されていません。
その後の一部解約・入替え・追加のリースは、想定外です。当初の支払予定表は、そのままでは、B/S残高との突合せには、もう使えません。
リースの一部解約等をしたら、Excelで残債管理をしよう
リースの支払予定表は、同時にリースを開始した複数資産がまとめられた金額になっています。
しかし、あらゆる残高には、内訳があります。まとめられる前の、リース資産別の金額を、当初のリース支払予定表から見つけ出しましょう。
リース資産ごとの月払い額(税込)が、どこかに出ていませんか? 見つけたら、それが何年リースか確認しましょう。5年リースなら、5×12=60回払いです。
月払い額×60 が、その資産の支払総額です。Excelで、その支払総額スタートで、月払いごとに残高が減っていく表を作ります。
その表を、まだ解約していない資産ごとに、支払月を揃えて作り、月額払いの合計額と、残高の合計額を作ります。
月 | 複合機 | 残高 | PC | 残高 | ソフト | 残高 | 月額計 | 残高計 |
1 | 100 | 40 | 140 | |||||
2 | 10 | 90 | 4 | 36 | 14 | 126 | ||
3 | 10 | 80 | 4 | 32 | 50 | 14 | 162 | |
4 | 10 | 70 | 4 | 28 | 10 | 40 | 24 | 138 |
5 | 10 | 60 | 4 | 24 | 10 | 30 | 24 | 114 |
Excel表の、その月のリース会社による引き落とし額(月額計=理論値)が、その月の通帳(預金の元帳)の引き落とし額(実際額)と一致していることを確認します。
これが各月で合っていれば、OKです。あなたが集計したリース債務の残高計も、正しいということになります。
合わない場合、タイミングしだいで初月のみ2回引き落とされたりすることもあるので、リースの支払予定表をよーく眺めてみましょう。