税理士になるにはどうすればいいか

税理士になるには、次のどちらかをクリアし、

  • 税理士試験の科目のうち、5科目に合格する
  • 税理士試験3~4科目合格後に大学院で学位取得+論文を書き、認定を受ける

さらに、2年1カ月の実務経験を積む必要があります(受験期間中とかぶっていてよい)。

今週の『週刊ダイヤモンド』の表紙に「税理士」という文字があったので、買ってみました。「有望士業」(ほんとかな)という見出しで記事がありました。

若い人の税理士志望者が増えている

それによると、税理士試験の受験者が増えたのだそうです。

2023年は、25歳以下が42%も増加。受験科目のうち、簿記論+財務諸表論は27.5%の増加したとのこと。

記事では、その理由を、次の3つ

  • 大学生がステイホームで資格取得熱の高まり
  • 大学院ルートの資格取得が浸透
  • 稼げる仕事が増えている(M&Aなど)

としていました。が、それより、もっと大きな理由があると思うんですよね。それを書き落としているのが、ちょっと残念な記事でした。

簿記論・財務諸表論は誰でも受験できるようになったから

2023年の税理士試験から、法律が変わって、簿記論・財務諸表論は、受験資格がなくなったのです。

誰でも受験できます。大学生どころか、小中学生、高校生でもよくなりました。

ダイヤモンドのいう、「若い受験生の増加・会計学に関する科目の受験生の増加」を説明する理由としては、こっちではないかなと。

なお、これ以外の税法科目は、大学3年生までに62単位取得(うち、社会科学に関する単位を1つ取得)するのが、受験資格の一つです。

大学1年生で簿記論、2年生で財務諸表論を受けていれば、自然に3年生で税法科目に進めそうです。

科目合格がある状態で就活・転職活動するのをおすすめ

しかし、試験に合格しただけでは、税理士登録はできません。経理や会計事務所の実務経験が必要です。

また、税理士登録する時点で、税理士事務所・税理士法人に在籍していなければなりません。(その他、破産していないとか、細かな条件があります)

税理士試験は、入門とされる簿記論・財務諸表論の2科目ですら、かなり難しいので、どちらかうかっていれば、就職先となる職場では、「本気度」「自分で勉強できる度」の心証はよくなるでしょう。

昔は、転職35歳限界説のような話がありましたが、この人手不足の世の中ですから、さらに複数科目合格していれば、35歳を超えてからでも転職はできます。

うちの事務所(私ひとり)は採用活動をしていませんので、実務経験の協力はできませんが。税理士になりたい人が増えるのは、悪いことではないと思っています。

特に、大学まで保護者に学費を出してもらっていた方なら、「自分のお金を犠牲にして勉強する」という新たな経験を積めるので、おすすめです。

社会人の方なら、ハローワーク(雇用保険)から、受験講座の費用について、一部補助が出る場合もありますよ!