Merci Miles! Live at Vienne レビュー

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不思議な構成です。2枚組なのに80分と23秒しかない。歓声を省けばCD1枚に収まる内容。もともと入れる予定の曲があったのに、音質か統一感の問題で端折ったのかもしれません。

公式盤なので、音質は最高です。肝心のマイルスの音が小さめですが、実際もそうだったのかな。亡くなる直前ですし……。

1991年、人数を減らした6人編成で、これまでとは全く違ったサウンドになっています。マイルスが、集中力だけで全身を束ねて音を出しています。

そして、今まではほとんど聞かれなかった、ピアノ風の音色のキーボード・ソロがときどき入ります。跳ねるようなベース、音数の増えたドラムスと、もうパーカッションの入る余地のないサウンドです。というか、フォーリーのギターも聞こえない。静けさのある演奏です。

当時は国内の評価が低かったこの時期の演奏を今聴くと、死が近い時期ほど美しく、繰り返しの鑑賞に耐えるサウンドになっていったと思えます。