売ってお金が入ってくると、税金がかかる。
当たりまえのことですが、これを意識しておくことで、税金に強くなれます。
変な話、でもないですが、稼いでいる人は、税金に強いです。(ちなみに逆は……)
税金は、商売上のリスク、そのものだからですね。
手取りがこれだけ必要なら、税金を考えると、収入はこれだけ必要。収入がこのくらいなら、税金もこのくらい。
という風に、税金を計算に入れておくことができれば、税金を滞納したり、無申告になってたりするのを防ぐことができます。
法律や通達だけ知っていても、新しい取引に対応できない
法律は、ああすればこうなるというルールしか書いていないし、通達などは、具体的に何が「ああ」なのかしか書いていない、と言えます(極端にいえば)。
どうしてそうなのかは、書かれていないんですね。だから、考え方を知ることが大事なんです。
今回取り上げる譲渡所得については、「前からずっと持っていたものが、売ったときに値上がりしてしたら、その値上がり分に税金をかける」という考え方になっています。
なので、毎月仕入れて毎月売る、というような商売は、譲渡所得になりません。事業所得です(たまーに買ってきて、たまーに売る、という感じだと雑所得)。
数年前に買った個人事業用の車を売ったら利益が出た。これが譲渡所得です。いま、車も値上がりしているものもありますので。
典型的なのは、先祖代々相続してきた不動産や、住宅地が開発されるときに買った土地。戦後のインフレで値上がりしていますので、売れば通常、もうけが出て、譲渡所得の申告が必要になります。
売却代金で値上がり益が判明したら、譲渡所得
売って値上がり益が分かったら、譲渡所得になって、税金がかかるかも? そういう感覚が、非常に大事になってきます。
ここでは典型的な例を挙げましたが、値上がり益が出るのは、今年が初めて、という売却もあります。そんなものが値上がりするとはだれも思っていなかったが、今年は値上がりしたので高値で売れた。
そういうケースは、通達やQ&Aには書いてありません。譲渡所得になるかどうかは、ずっと持っていたものが高値で売れたかどうか(しかも単発で)で判断していただくことになります。
中古買取ショップなどで、近年急に値上がりして、ニュースになったようなものを売ったときは、申告が必要になるかもしれません。
譲渡所得にならない売却の例も知っておく
日常生活で使っている家具をリサイクルショップに売ったりしても税金はかかりません。
自分用に買って持っていて、飽きたから売ったゲーム機本体やゲームソフトなどもそうです。
金額も安いですし、ふつうは、買ったときより安く買いたたかれるので、そもそも利益が出ないことがほとんど、というのが理由です。
また、金額が大きくても、通勤用の自動車を買い替えで下取りに出した場合も、生活必需品なので、通常は、譲渡所得になりません。
しかし、生活用品というよりも、専門店があるような、もともと相場が高いもので、売った値段が30万円超となる場合、譲渡所得の申告が必要です。
ただし、いろいろ売った結果の利益が50万円を切っていたら、結局税金がかからないことになります。
利益を出すには、買ったときの金額や、いつ買ったかがわかる書類が必要です。
買ったときの情報がない場合は、売却代金の95%が譲渡所得になります。
もっと知りたい方は、まず「総合課税の譲渡所得とは」で検索してみていただければと思います。
それでも分からないよ、ということがあれば、税理士に相談も一考かと。私も税理士なので、単発相談や確定申告、お受けしています。