なぜ親になると「コレジャナイロボ」を買ってきてしまうのか

親はどうして、頼んだものと違うおもちゃを買ってきてしまうのか……。

子供時代の思い出あるあるで、「コレジャナイロボ」という言葉もあるくらいです。

ガンダムを頼んだのに、ガンダムに似た何かを買ってこられてしまうとか……。

今も昔も、人気商品には類似商品が出がちなので、間違えるというのはあるにせよ。

で、自分が親になると、やはり、子供にそれをやってしまうのです。

『メメンとモリ』と『メメント・モリ』を間違えた親御さんはいませんか

娘に頼まれて、絵本を買ってきたのですが、「これじゃない」と言われてしまいました。

  • 絵本で、
  • 売れていて、
  • 『めめんともり』というタイトル

と聞いていたので、当然あれだな! あの売れている『めめんともり』な! と請け合って買ったのですが、違いました。

娘としては、その間違った方も興味があったみたいなので、ことなきを得ましたが……。

謝りまして、翌月、正しいほうを買いました。

どうすれば、間違えなかったのか

  • 『メメント・モリ』
  • 『メメンとモリ』

この2冊、どちらも、上の3つの条件をすべて満たしていたんです。

そうすると、親としては、本屋さんに行ったときに、よく目にしている「あの本」のことを言っているんだなと、思い込んでしまいました。思い込んでいたので、確認もしませんでした。

3つの条件を満たすもの、というふうに選ぶと、間違えてしまうんですね。

Google 検索をするように、複数のキーワードを入れて、すべてにあてはまるものを選んでも、間違えてしまう。

それではだめでしたね。

ここは、「固有名」を聞いておく必要がありました。この場合、作者名です。

大森元貴か、ヨシタケシンスケか。

作者名で同姓同名というのは、まずありませんから。(村上春樹と同姓同名の平将門研究者がいるのは有名ですが……)

本のタイトルと、作者名の2つの固有名詞で絞り込めば、まず間違えないはずです。

家族間のこととはいえ、口頭でやりとりする場合でも、2つの固有名で特定する(Accessデータベースでいうところの、2つのフィールドを合わせて主キーにする)という手順が必要でした。

自分と違う世界の人との会話では、固有名詞の確認が大事

子どもは、親とは違う世界に住んでいる人です。会話で安請け合いはしてはいけません。

確定申告期間中は、税理士として電話相談コールセンターに従事していたのですが、そのときに相対する相談者の方は、自分とは全く違う世界に住む人でした。

その人の発する言葉が初耳の単語なら、自分はその人より詳しくないのだ! という謙虚な認識がまず必要です。

初耳の単語は、ゆっくり繰り返して発音してもらい、パソコンでネット検索して、税務上の取り扱いを確認していました。

聞いたことがない制度による収入については、おおむね、国税庁ホームページや自治体のホームページに、所得税法上の取り扱いが書いてあるものです。

その書かれたページも、文末まできちんと読むことが必要です。テスト問題を読むのと同じですね。

電話相談の調べ物をしているときに、

  • AはBとして取り扱いますが、CはBとしては取り扱いません

という短い文章が自治体のホームページにあり、急いでいると、「AはBとしては取り扱いません」と読んでしまったことがありました。

これを読んで、2つの意味がある内容を、一つの文章にしてはいけないな、と学びました。

初見の固有名詞は一言一句を確認し、その説明文は句読点単位でじっくり読む。これは、仕事でもプライベートでもミスを減らすためのコツです。

親をやっているあなたも、コレジャナイロボ事件を起こさないように、頼まれた商品の「2つの固有名(商品名・タイトル+作者・メーカー)」を子供から聞き取っておきましょう。

今週の子供向け新聞

  • 推し活グッズ特集が定期的に組まれます
  • 「祭壇」という用語が、何の説明もなく使われていて、さすが学生新聞社と思いました
  • 娘もちょっと祭壇っぽいものを作り始めています……