税理士試験を学生が受験するなら

税理士試験は、2023年から、誰でも受験できるようになりました。

「会計学(簿記論・財務諸表論)は、受験資格はない」ということです。高校生でも受験できます。

新しい受験資格制度なら、25歳で税理士登録も可能に

この新しい受験資格ルールが想定しているのは、次のような早期合格パターンです。

  • 大学1年生から受験を開始する
  • 大学2年生で簿記論に合格し、大学で社会科学の科目を含む62単位(一般的な大学で卒業に必要な単位数の50%)を取得して、税法の受験資格を得る
  • 大学3年生で財務諸表論に合格する
  • 大学4年生で税法科目1つ目に合格し、税理士事務所(税理士法人)に就職する
  • 社会人1年目で税法科目2つ目に合格する
  • 社会人2年目で税法科目3つ目に合格し、税理士登録に必要な実務経験2年を得る
  • 社会人3年目で税理士登録する(25歳)

「20代で税理士」を現実的なものにし、若い人に目を向けてもらおうという目的があります。2023年実施の税理士試験でも、大学生の受験者数が2,188人(前年+725人)と大幅に増加しました。

公認会計士や司法書士と比べて、20代の合格者が少ない問題を解決したかったようです。

また、大学卒業までに3科目合格していれば、社会人になって受験をやめてしまったとしても、大学院進学ルートで税理士に再チャレンジすることも可能になります。

年齢別合格率(2023年実施税理士試験 国税庁ホームページより)

実際、年代別科目合格率は、若い人のほうが高いですし、若い記憶力とありあまる時間を税理士試験にぶつけられれば、大学時代に3科目合格できるのかもしれません。

年齢科目合格率
41歳以上13.1%
36~40歳20.8%
31~35歳23.5%
26~30歳27.1%
21~25歳29.7%
20歳以下36.2%

就活も、いま税理士業界は人手不足なので、一部科目合格者であれば、なおスムーズに行くでしょう。

理論上は……。

問題は、学生時代のうちに「税理士」という職業を知る機会がない、ということでしょうか……。租税教室・大学への寄附講座はあるとしても……。

あと、大学受験をがんばった直後に、税理士試験を受験しようという気が沸いてくるかという問題ですか。

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