ひとり暮らしの親への対応3パターンと、実家(空き家)売却の税金

新潟県内・春日山城の近く

ご両親が高齢となり、どちらかが亡くなられてしまうと、親御さんがひとり、ご実家に残されることになります。

子の立場としては、いろいろな対応をお考えになると思います。

例えば、1. 親がひとり暮らしになる、 2. 実家にご自身(子)が住み込む、 3. ご自身(子)の家に同居してもらう、といった3パターンが考えられます。

そして、親御さんが亡くなられた場合には、空き家となったご実家を売却することも検討課題になってきます。

いままでどおり、親が実家に住む(親ひとり暮らし)

実家が近所だとかで、いままでどおり親に実家に住みつづけてもらうパターンです。

両親のふたり暮らしだったのが、ひとり暮らしに変わります。

残された親が家事ができるとか、自分がときどきサポートに行くことができるとか、そういう場合ですね。

その後、実家の親御さんが亡くなられると、そのご実家を、空き家として相続することもあるでしょう。

子としてのご自宅があれば、その空き家は、思い出もあるでしょうが、売却することが多いのではないでしょうか。

その空き家が、昭和56年5月以前築でしたら、売却した年の翌年の確定申告で、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が利用できる可能性があります。

売却益が3000万円までなら税金がかからず、その超えた分だけに税金がかかるため、税負担が緩和されます。

親のいる実家に住み込んで、同居する

親御さんが遠方だったり、ひとり暮らしに心配があったり、介護の必要があったりで、子が実家に戻るパターンです。

子(ご自身)が、実家に住民票を移し、通勤はご実家からされていたという場合であれば、親御さんとふたり暮らしということになります。

その状態が何年か経過して、親御さんが亡くなられると、ご実家を相続する場合もあろうかと思います。

ただこの場合、ご実家にご自身(子)が住まわれているため、相続があっても空き家になりませんので、さきほどの「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」は利用できません。

ですが、住まわれていたご自身が、ご実家を相続すれば、「マイホームを売ったときの特例」の3000万円控除が利用できる可能性があります。

実家の親を子の家に呼び寄せて、同居する

ご自分が実家に住んだり通ったりすることが難しい場合、特に田舎に親御さんがひとりでお住まいだったりすると、親御さんを呼び寄せて同居する、というのも、よくあるケースかと思います。

実家が、親御さんのご健在の頃から、空き家だったというパターン。

その後、親御さんが亡くなられたとき、ご実家は当然空き家のままです。仮に、この空き家を相続して、売却するとします。

でも、相続の前からずっと空き家だった場合、相続後にご実家を売却しても、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」は受けられません。

しかも、ご自身がご実家に住んでいたわけでもないので、「マイホームを売ったときの特例」も使えません。

親を呼びよせるのは、よくあることなのに、居住用財産を売ったときに所得税を減らす特例が使えないです。

この場合、親御さんを呼び寄せる前に、ご実家を売却しておけば、親御さんの確定申告で、「マイホームを売ったときの特例」や「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」が使える可能性があります。

親御さんがご実家に戻られる予定がないのでしたら、呼び寄せることが決まった時点で、ご実家の売却について、親御さんと話しあっておかれることを、おすすめします。

もちろん、これはただの税金の話なので、親御さんの意向として「売りたくない」ということであればできません。

ただ、同居後の親御さんの生活費として、ご実家の売却収入を使っていただく方法もあろうかと思います。

以上、親御さんの老後の対処として、3パターンご紹介し、それぞれ、ご実家を売った際の税金について、ご説明しました。参考にしていただければ幸いです。


昨日のはじめて

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  • 非居住者・非永住者の所得税に関するセミナー受講