独立おめでとうございます。勤めていたときは、自分の経理をやったことはなかったでしょう。
いきなり、やるべきことの大転換があるわけです。
例えて言うなら、子どもが生まれたら、突然子育てをしなければならなくなったような転換が。
まず、本屋さんなどで個人事業主向けの経理(Amazonで「フリーランス 税金 申告」で検索してもよい)の本を1冊、お読みになるのをおすすめします。
その上で、分からないことを税理士に聞くほうが、経理が身につくと思います。
事業用口座をつくるさいに「無利息型普通預金(決済用預金)」を希望しよう
金融機関の事業用の口座を開設しましょう。
個人の口座を転用してもいいのですが、そうすると厳密には、銀行に申し出ている口座の用途と実際とが異なることになります。
なにより、売上・経費・生活費の引き出しの3つだけの動きがある口座があると、経理が楽になりますので、つくりましょう。
事業用口座の開設は、個人であっても法人並みに書く書類が多く、ちょっと手間がかかりますが。
で、口座開設の際、何も言わないと自動的に「普通預金」になってしまいます。
そこで、「普通預金じゃなく、『無利息型普通預金』でお願いします」と言ってみてください。(かながわ信金の場合)
金融機関によって名称が異なりますので、ホームページで正式名を確認していただければと思います。
- 決済用預金(GMOあおぞらネット銀行)
- 決済専用無利息型預金(三菱UFJ銀行)
- 振替貯金(ゆうちょ銀行)
- 無利息型普通預金(かながわ信金)
なお、住信SBIネット銀行には、この決済用預金の扱いがありません。
無利息型普通預金(決済用預金)は、まずペイオフ対策がいりません(金融機関に万一があっても、残高1000万円以上も全額保護)。
利息の入金もないので、経理が楽になります。金利が上がったといっても、入ってきて嬉しいか? という金額なのは変わりませんので。
これは法人の場合でもおすすめです。法人であれば、利息から天引きされる源泉所得税の処理が不要になるからです。
ネットバンクを使おう
地元の銀行・信金のリアル店舗で申し込んだ場合、同時にネットバンキングも申し込むとよいです。ただし、個人の事業用口座であっても、法人口座並みの月額料金がかかる場合があります。
その際、従業員を雇わないひとり仕事であれば、給与振込機能などは使わないのですから、個人の口座と同様の機能でよいので料金がかからない方法があるか、聞いてみましょう。
ネットバンクに1000円単位の月額利用料がかかるのであれば、やめておきましょう。
最初からネット専業銀行に申し込むのも手です。
クラウド会計ソフトへのデータ連携や、振込の処理が店舗に行かなくて済むメリットは絶大です。
どこがいいかと言われると、税金のダイレクト納付にも対応している金融機関をおすすめします。ネットバンクなら、GMOあおぞらネット銀行でしょうか。
住信SBIネット銀行は、税金のダイレクト納付に対応していません。
- ダイレクト納付利用可能金融機関一覧|国税庁 (nta.go.jp)
- 共通納税対応金融機関|eLTAX 地方税ポータルシステム(ダイレクト納付の欄が – の金融機関は対応していません)
ただ、ダイレクト納付に対応していなくても、ネットバンク納付はできます。
ただし、その場合、納税手続きを税理士に代行してもらうことはできません。ご自分で忘れずに行うことになります。
売上と経費の資料を月別に保存・集計しよう
ゴールは、月別の売上・経費をまとめ、売上ー経費=利益 を計算することです。
売上の資料
仕事が完了したら請求書を出す場合、請求書の控えも保存が必要です。
クラウド会計ソフトなどを使うと、請求書や領収書を作成すると売上が登録されるので、自然に資料の保管ができます。
ただ、こちらで請求書・領収書を発行しない場合は、仕事を決めたときのメールなり料金表なりを保存しておきます。
支払調書がもらえたら、それも保管しておきましょう。ただ、もらえるとは限りません。
また、支払調書だけだと、いつの仕事の分か分からない場合もありますので、同封の送り状や、別途メール、スケジュールなどから何月の仕事かわかるようにしておきます。
売上は、入金のタイミングではなく、仕事が完了したタイミングで、月別に整理します。
経費の資料
現金やカードで払った経費で、紙のレシートがある場合には、13ポケットファイルやレシート保管グッズを利用して、月別にまとめておきます。
スクラップブックにテープ等で貼り付ける必要はありません。よほど少なければそれでもいいですが……。
スキャナ保存は、スキャンに時間がかかること、「これ、スキャンしたっけ?」と迷いが生まれがちなことから、おすすめしません。
預金から払った経費(請求書などA4の紙があるもの)については、別のファイルに月別に保存しておくことをおすすめします。
売上や経費の資料について、データしかなければ、データのまま保存します。印刷→PDF化しても、スクリーンショットでもよいです。
データの資料にファイル名を付けるなら、 yyyy-mm-dd_9999[税込金額]_取引先名.pdf といった感じにしておけばわかりやすいかと思います。日々保存し、月に1回は資料の整理・ファイル名付けをしましょう。
売上と経費の集計(記帳・帳簿付け)
ふつうの会社であれば、経理部は必ずあるので、個人事業であっても経理は本来の業務です。
月別に保存した資料から、月別に売上・経費を集計する帳簿付けをExcelで行います(または会計ソフトに入力)。
国税庁に帳簿付けの全般的な情報はまとまっています。記帳・帳簿等に関する情報サイト|東京国税局 (nta.go.jp)
ただ、ご自身の経理の力に応じたオーダーメイドな情報・サポートが必要な方は、税理士にご相談いただければ幸いです。
記帳がまったく分からない! という方には、記帳代行も承っています。
昨日のランチ
関内ピアチェーレ ズッキーニと鶏肉のクリームソース 1,000円