外国法人に対するライセンスやサービス等の免税売上で消費税還付申告。税務署からのお尋ねに何を送付する?

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法律は、なんでもそうですが、まず現実の取引を想定して、それに対応するように作られています。

特に税法はそうで、現実が変われば、それに合わせて税法が変わったりします。

さて、輸出をしている会社なら、輸出申告書を保存しているので、それを証拠として、消費税法上の免税売上が認められます。

消費税がかからないので、まずは課税区分を間違えないようにしたいところです。

では、売上の内容がモノを輸出しない、外国法人に対する無形の権利のライセンスや売却・役務提供であった場合は、何を保存すれば免税売上が認められるのでしょうか?

免税売上で還付申告になると税務署からお尋ねがくる

消費税の申告書で、課税売上にかかった税額<課税仕入れにかかった税額 となると、還付申告になります。

その原因は、免税売上が多いというケースもあります。

還付というと、うれしい気もしますが、簡単には還付されません。

ほぼ、「消費税還付申告の内容についてのおたずね」という文章が郵便で届きます。

届かないときも例外的にあります。
たとえば、創立1年目でまだ売上が少なく、開業準備のために還付になったことが申告書や「消費税の還付申告に関する明細書」で誰が見てもわかり、内容に問題がなければ、スムーズに還付されます。

それ以外はほぼ「おたずね」が来るものです。これに回答しないと、還付されません。郵便物を放置していると、本当にいつまで経っても還付されないので、対応しましょう。(税務署から電話がくることもあります)

モノがない無形の権利やサービスの「輸出」は、契約書で証明する

自社の免税売上(非居住者、外国法人に対するもの)が典型的な輸出ではなく、モノがない権利のライセンスや譲渡、サービス提供だった場合、輸出証明書はありません。

その外国法人などと交わした契約書が、輸出の証拠となります。かならず保管しておきましょう。

「おたずね」が来た場合に送る資料の一つが、その契約書のコピーになりますので。

契約書があれば、通常、

  • 自社の社名・住所が国内であること
  • 納品や役務完了の日付が今期中であること
  • 権利の譲渡・貸付け(ライセンス)、または役務の提供(サービス)であること
  • 申告書の免税売上の金額がこの契約金額にもとづくこと
  • 契約の相手方の社名が外国法人(非居住者)で、住所が外国であること

を証明できます。

通常、契約書であればこれらの内容は網羅されているはずです。

他に依頼された書類のコピーと合わせて問題なしとされれば、還付されます。(不備があれば再度連絡がきます)

契約書が取引ごとに大量にあり、コピーが大変な場合

契約書の数が多いとか、ページ数が多いとかという場合。全部コピーすると大変ですよね。

そこで、税務署の方とのお電話での相談となりますが、さきほどの5点が分かるページのコピーでいいか聞いてみましょう。(以下に根拠となる条文を示します)

このお尋ね文書に対して送る書類は、必ずコピーです。コピーが手間だからといって、原本は送らないことをおすすめします。

また昨今の郵便事情から、コピーであっても重要な書類を誤りなく送りたいということでしたら、簡易書留などを利用するか、税務署に持参するのも手です。

何を送ったかは、手元に記録を残しておきましょう。

このような手続きがあるので、消費税の申告をしてから還付されるまで、スムーズにいっても3カ月はかかります。
還付金を資金繰りのあてにはしないほうがよろしいかと……。

消費税の還付もありうる事業者の方は、税理士のサポートを受けつつ、手続きを進めてみてはと思います。

(輸出取引等の証明)
第五条 法第七条第二項に規定する財務省令で定めるところにより証明がされたものは、同条第一項に規定する課税資産の譲渡等のうち同項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するものを行つた事業者が、当該課税資産の譲渡等につき、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類又は帳簿を整理し、当該課税資産の譲渡等を行つた日の属する課税期間の末日の翌日から二月(…)を経過した日から七年間、これを納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるもの(…)の所在地に保存することにより証明がされたものとする。

四 法第七条第一項各号に掲げる資産の譲渡等のうち、前三号に規定する資産の譲渡等以外の資産の譲渡等である場合 当該資産の譲渡等を行つた相手方との契約書その他の書類で次に掲げる事項が記載されているもの
イ 当該資産の譲渡等を行つた事業者の氏名又は名称及び当該事業者のその取引に係る住所等(…)
ロ 当該資産の譲渡等を行つた年月日
ハ 当該資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 当該資産の譲渡等の対価の額
ホ 当該資産の譲渡等の相手方の氏名又は名称及び当該相手方のその取引に係る住所等

消費税法施行規則

参考 消費税法7条1項5号、消費税法施行令6条1項4~8号、17条2項6号・7号、消費税法施行規則5条1項4号、消費税法基本通達7-2-23

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