私は、税理士としての個人事業で、freee会計を使用しています。(単発相談でお客様からのご質問に答えるにも役立ちます)
個人事業主、フリーランス、士業の方などとお話すると、freeeをご利用であることが多いです。
財務省の資料などを読むと、クラウド会計ソフトが、複式簿記を普及させる銀の弾丸のように書かれていますが、なかなか難しいでしょう。
導入したばかりのときは、特に楽になるわけではありません。
使い込んでいくうちに、楽になってくるタイプの会計ソフトです。
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ネットバンクに入金があったはずなのに
肌感覚としては、ネットバンクが同期されて、期日に先月の売上(売掛金)の入金があった。
それなのに、「やること」欄に、「入金が期日を過ぎています」と言われている場合。
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売掛金は、消えていません。
感覚とfreee会計のズレは、どこで発生しているのでしょうか。
入金の取引を確認してみると、「自動登録ルールに合致」とされ、取引テンプレートが推測されていました。
2仕訳以上の処理がされる場合は「取引テンプレートを推測する」を使いますが、自動登録はされません。
どうやら、推測されたテンプレートを、そのままご自分で登録してしまったようです。
詳細をチェックしてみましょう。
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「明細の詳細」を見ると、「取引登録タブ」で自動的に処理が行われていたら、それが原因です。
売掛金を消す場合、詳細画面で「未決済取引の消込タブ」が開いていなければなりません。
消込をすべきところ、取引登録が行われてしまったので、売掛金が残ったままとなり、「期日を過ぎています」というエラーメッセージが出ることになったのです。
入金時に自動登録ルールを適用する条件は、完全一致で
今回の原因は、元の売上高の取引先が、「ヨコハマ~」で始まる場合に取引テンプレートを推測する、取引内容「前方一致」にしていたことです。
社名が「ヨコハマ~」から始まる会社は、横浜で仕事をしていれば、複数あるものです。
そのため、意図しない取引先用の取引テンプレートが予測されてしまった可能性があります。
その予測誤りを排除するために、自動登録ルールを適用する条件について、取引内容は「完全一致」にしておいたほうが安全です。
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金額についても絞り込めるなら、範囲を設定しておいてもいいでしょう。
貸借対照表科目の残高管理が会計の肝
freeeで請求書を作成してから、取引を登録する。
請求書を作成しない取引については、あらかじめ定めた報酬額で、「収入の登録」をする。
どちらの場合も、その際に決済期日を登録しておけば、今回のように未入金時に「やること」に表示してくれます。
いつ入金されるのかは、仕事を始める前に、先方に確認しておきましょう。
フリーランス保護法が施行されて、原則として、発注元は、納品日から60日以内の報酬支払期日を決めることになっています。
もし決めていない場合は、納品日に払うことになります。
freee会計では、データを見るときいつも最初に損益計算書が表示されるので、「貸借対照表」をチェックしていないかもしれません。
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経理業務は、貸借対照表の残高が、実際の預金通帳の残高、現金をカウントして集計した金額、未収の金額と合っていることを確認して、終わります。
貸借対照表の残高を、freee会計の画面以外のモノとチェックするのがコツです。
また、売掛金とは反対に、アドバンスのような形で前金で長期の仕事の分を受け取る場合があります(前受金)。
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また、こちらが払う場合も、年会費・年間使用料として前払するケースもよくあるものです。
その場合、前受/前払入力アプリを使えば、自動的に月ごとに収益・費用を割り振ってくれるので、残高管理が楽になります。
ただし、これも、最初の収入時・支出時から使う必要があります。
すでに振替伝票等で手動入力した前受金・前払費用(決済期日が入力できないもの)には対応できないので、次の前金・前払いのときから前受/前払入力アプリを使ってみましょう。
編集後記
今日は子どもたちと一緒に夕食に麻婆豆腐を作るので、早めにブログをアップしました。