源泉徴収事務を始める

フリーランスとして、人を雇わずに活動していると、縁がないのが「源泉徴収すること」です。

給料を払うことがない個人は、源泉徴収義務がないからです。

反対に、源泉徴収されることはあったでしょう。

原稿料、イラスト、写真、印税、デザイナー、経営コンサルタントの報酬、講演料、翻訳の料金、タレントとしての仕事……。

もし、個人事業を法人化すると、源泉徴収されなくなります。

請求額から天引きされることなく、そのままもらえるようになるのです。ちょっとしたメリットです。

先日行政書士会の落語イベントで行った開港記念会館

法人になると源泉徴収するほうになる

法人は、給料を払う立場なので、源泉徴収義務があります。

社長1人の会社であっても、法人から社長に給料を払うからです。

給料から天引きされるのは、まだ分かります。

会社員だったときに源泉徴収されていましたからね。

しかし、法人になると、給料以外の支払いにも源泉徴収しなければなりません。

いままで自分が源泉徴収されていた仕事と同様の仕事について、原則として10.21%の税率で天引きして、翌月10日までに、納税をします。

納税は、ダイレクト納付にするのが楽でおすすめです。

いわゆる「〇〇士」への支払いも源泉徴収する

私のような税理士をはじめ、弁護士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士、土地家屋調査士といった○○士へ支払う際も、源泉徴収して、翌月納税します。

このあたりは、法人に届く請求書上で源泉徴収税額があるので、天引きを忘れないようにしましょう。

請求書末尾にある、源泉徴収後の金額を振り込みます。

誤って、請求総額を振り込むと、おそらく返金されると思います。

先方に手間をかけさせないように、粛々と処理しましょう。

「あれ、この請求書、源泉徴収税額が書いていないや。間違いかな?」と思ったその請求書、行政書士からのものではありませんか?

行政書士には、源泉徴収しなくていいのです。

特に、〇〇士(いわゆる士業と呼ばれる人々)は、同じ人が行政書士の資格も持っていることがあります。

業務内容に応じて、今回は行政書士として請求書を出してくることがあるので注意が必要です。

あと、士業も最近は法人化することができるようになりました。

司法書士法人、土地家屋調査士法人、税理士法人などなど。

名前こそ士業ですが、相手は法人なので、源泉徴収する必要はありません。

同じ人が途中から法人化することもあるので、請求書に注目しておきます。

支払先が個人の場合、源泉徴収すべきものではないか、『源泉徴収のあらまし』で調べておきましょう。

一人親方、プログラマーへの支払いについては源泉徴収はいりません。この区分に載っている報酬・料金についてのみ、源泉徴収します。

特に、Web掲載用のフォトグラファー・モデル報酬については、源泉徴収がいりません。印刷物掲載用だけ、天引きします。

法律が時代に追いついていないので、こうなっているのです。拡大解釈しないというのが、判定のポイントです。

納期の特例を利用しよう

独立して会社が小さいうちに(常時社員10人未満のうちに)、納期の特例の届出を出しておきましょう。

A2-8 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

源泉所得税の納付が、半年に一度でよくなります。

納期の特例は、役員報酬・社員の給与・賞与のほか、上記の士業の報酬にも適用されます。(反対に言うと、士業以外は、払った翌月10日に、毎月納付です!)

天引きした税金を、半年分貯めておいて、まとめて納付することができるのです。

給与の住民税は、別途手続きしないと、毎月納付のままですが……。

ただし、この承認申請書を出した月と、その翌月の源泉所得税の納付は、これまでどおり、先月に報酬等を払った分の税金につき、翌月10日納付です。

源泉徴収事務は、直感的でないところが多く、間違いやすいところです。

納期の特例にしていれば、万一間違えても、次の納期限までに支払先と調整して、精算を済ませておける……というメリットもあります。

編集後記

事務所ホームページを見直し、料金体系を見やすくしました。

いくつかメールのやりとりをしつつ、終日事務所に。