餓狼伝説がストIIと変えようとしたことから、違いを出すことを学ぶ

餓狼伝説26年ぶりの新作、「餓狼伝説 City of the Wolves」を日々楽しんでいます。

第1作目は1991年11月にゲームセンターで稼働しました。

対戦型格闘ゲームという、ストリートファイターIIが築いた一大ジャンルの黎明期です。

なんと、そのストIIは、同じ1991年3月に稼働していました。餓狼は、そのわずか8カ月後の発売です。

そのためでしょうか、プレイできるキャラクターは、登場キャラクターのうち、ごく一部にとどまりました。

ストIIのドット絵を真似しながらの開発だったといます。

餓狼伝説といえばテリー・ボガード

後発が、違いを作ろうとしたこと

餓狼伝説は、タイミング的にどう見ても後発、ストIIのパクリというそしりを受けかねないゲームでした。

が、人気は及ばずとも、一定のファン層を獲得しました。

それは、その第1作で、ストIIとの違いを作ろうと工夫していたから、と考えています。

  • ストIIの主人公が日本人なら、餓狼はアメリカ人だ
  • ストIIが世界が舞台なら、餓狼は一つの街だ
  • ストIIにストーリーが希薄なら、餓狼はストーリー厚めだ
  • ストIIが1ラインで戦うなら、餓狼は2ラインだ
  • ストIIの体力ゲージが中央に向かって減っていくなら、餓狼は端に向かって減っていく
  • ストIIの体力ゲージ横が空いているので、餓狼はキャラの顔アイコンを置く
  • ストIIの制限時間が99カウントなら、餓狼は90カウントだ

すぐに作れる違いでしたが、その違いをたくさん作ったことがすごいです。

この違いを作ること(特に2ラインバトル)は、開発者のアイデアではなく、トップダウンだったという話を読んだことがあります。

もちろん、同じところもたくさんありましたが、その後の続編でも、違いを作ろうとしていたことは見て取れます。

あまりによく似ていた別のゲームは、カプコンから訴えられたこともありましたが、餓狼にはそういう話はなかったかと。違いがたくさんあったからです。

この姿勢は、あらゆる後発の経営者は学ぶべきでしょう。

ほとんどの独立開業は後発になるから、違いをつくろう

ほとんどの独立は、元の勤務先と同じ業種で開業するのでしょうから(そのほうが創業融資も受けやすいですし)、餓狼伝説と同じ立場、後発です。

なかなか、ストリートファイターIIと同じ立場で開業することはできません。

その場合も、先行している同業者を見れば、違いをつくることはできます。

まったく同じだと、違いが価格だけになってしまいます。

店舗商売の方々を見ていても、近隣の店舗とは違う商品、違う環境を整えていることがわかります。

まるで、自然界で虫や鳥、動物たちが異なるエリアに住み分けるように、出す飲み物を変え、かける音楽を変えています。

すると、他のお店が合わないお客さんが、自分に合う可能性と思ってきてくれる可能性が出てきます。

お話しを聞くと、やはり、同業のお店がオープンしたら、すぐに行ってみるようです。

色、言葉、メッセージ、なんでもさっきのようなリストにして、対象となるお客様をずらせるような、違いを出してみましょう。

ゲームを遊ぶにしても、違う遊び方で遊ぼう

話を戻すと、私は、餓狼伝説cotwを、Steam Deckというハードで遊んでいます。

Steam OSを積んだゲーミングPCですが、ふつうのゲーミングPCを買うより、かなり割安です。

そのくせ、性能は、2025年の新作を遊ぶのに十分なものです(余裕はありませんが)。

PS4/5でプレイする人は多いですが、Steam Deckで遊ぶ人は少ないでしょうから、ここでその情報を置いておきます。

  • 餓狼伝説 cotw は、公式にはSteam Deckでの動作を確認していないが、実際にはできる
  • ただし、DISPLAY設定の解像度を、 1280×720 にする必要がある。解像度を上げると、動きがゆっくりになるため
  • 画質は、プリセットの「中」でOK。ただし、影がないと、往年の餓狼伝説ファンには違和感でしかないので、「影=ON」にしよう
  • 最終的に60GBは必要なため、microSDカード128GB以上、クラスA1のものが必要
  • Steam Deckでフォーマットが必要で、その内容はそのままではWindows PCでは読めない(Steam Deckのスクリーンショット、録画も)
  • PC対応のアケコンHORI Fighting Stick α、 Fighting Stick mini をドッキングステーションにつなげば、ローカルでも対戦できる
  • 音声はヘッドホンジャックからスピーカーにつなぎ、低音を増して楽しもう

こういう情報は少ないので、探す人から見つけてもらいやすいわけです。

商売も同じです。違いを作って、少数派になり、お客様に見つかりやすい状態にしていきましょう。

編集後記

来週のラジオ「教えて税理士さん®」の修正版原稿のメールやりとり。ラジオ出演は、若干ですが反響ありますね。

1日1新:HORI Fighting Stick mini