税理士はなぜ映画の主人公にならないか

税理士が主人公のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」が放映中ですが、聞いた話によると第1話で税理士をやめてしまって、税理士が関係ない話になっているそうです。
競馬ファンには、すごく面白いそうですが。

なお、私は競馬は、昔前職(異業種)の同僚に誘われたときに一度体験してみて(@大井競馬場)、以来やっていません。

BAR IGETA(横浜・浅間下)のマスターと雑談しつつ思いついたネタ

税務調査をする側の映像作品は多い

税理士は映画の主人公には向かない理由を書いてみたいと思います。

反対側の「税務署」や「マルサ」の側が主人公の映画やドラマが多いのと対照的なので。

  • マルサの女(Blu-rayで見た)
  • マルサの女2(Blu-rayで見た)
  • チェイス~国税査察官~(NHKオンデマンドで見た。なんと音楽が菊地成孔)
  • トッカン~特別国税徴収官~(原作小説はシリーズ全部読んだ)
  • ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~(原作コミックは途中まで読んだ)

脱税していない一般の方が、脱税している人が罰せられるの見てを楽しむエンタメです。

税理士の出てくる映画

山田洋次監督「家族はつらいよ」という映画に税理士が登場します。
これも見ていないのですが、主要人物ではあるものの、主人公ではありません。

伊丹十三監督「マルサの女」にも出てきます。
これは見ましたが、脇役で名前もありません。セリフはちゃんとしています。
映画としては非常におすすめです。(Blu-ray Discを買うしか見る方法がありませんが)

映画「マルサの女」は基本、おすすめです – 税理士 木村将秀のブログ

もちろん、税理士が主人公の映画もあります。
森川時久監督の「不撓不屈」です。

これはDVDで見ました。それ以前に、文庫本で原作小説(高杉良・作)を読んでいました。
税理士試験の受験期間中に。本当に条文をそらんじる人がいるんだなあ……と思ったものです。
最初に小説を読んでしまったので、映画はそれほどでも……と思いましたが。

相手がルールチェンジャーだから難しい

これは、確かに映画として成立しています。
一般の方が、税理士に期待する姿、「すごい知識と奮闘で経費を通して、納税を少なくする」が描かれているからです。

これは、反対側の国税側(課税庁側)に期待する姿、「すごい知識と奮闘で、脱税を摘発する」を描けば映画になるのと同じです。

でも、この作品以降、税理士が主人公の映画はないのではと思います。

税理士は映画の主人公に向かない。
その理由は、相手(国)がルールチェンジャーだからです。

仮に、すごい知識とテクニックで節税策を通したとしても、翌年には法律が変わって、できなくなってしまうでしょう。
税金の法律はコロコロ変わるのが、他の法律と違うこところです。

完全な勝利というカタルシスがなく、いたちごっこの1回を演じて終わってしまうところがあります。
これが現実だと思って戦っていたら、相手から「実は夢でした」と言われるような。

その1回の戦いも、もつれると地味な法廷劇(映画もそうです)になってしまい、エンタメとして盛り上がりに欠けるところがあります。

税理士はあくまでサポート役、主役は社長であり、フリーランス(経営者)として生きる方々です。
かっこいい節税策・ドラマティックな節税策に走らなくても、まずは経理や簿記のルールどおり、税金のルールが予定していることをきっちりやるだけでも、余計な納税・予想外の納税のリスクが下がります。

基本的な所作を行い、日々経理をすることで利益を予測し、納税額が早めに分かれば、いざ払うときの心の準備ができます。
私はそんなサポートをしている税理士です。

そういえば、大学時代に作っていたホームページも「ネオジオフリークサポートページ(非公認)」という、ゲームファンをサポートするためにサイトでした。

近況報告

お客様の会計ソフトのデータをExcelを使って整理するなど。だいぶ見通しが立ってきました。

1日1新:ハイランドパーク18年のハイボール、金木犀ジントニック