『ゲーセン戦記』でゲームセンター経営を学ぶ

ゲーセンミカドの店長・経営者である池田稔氏の語りを、ゲームライターのナカガワヒロユキ氏が聞き書きした、いわゆる「語り下ろし」スタイルの新書。プロが書いているので非常に読みやすい本でした。

本の存在を知ったのは、新聞の書評欄でした。速攻で書店に行くと、5~6冊並べて置いてありました。

これは、趣味としてのゲームの話ではなく、経営としてのゲームの話なので、ゲームファンは基本的には読者対象外です。

とはいえ、一ゲーマーとして読んでも十分楽しめるものでした。KOF’95が異様に盛り上がっていたのは、どこも同じだったんだなとか。

イケダミノロック氏というと、「ハイスコアガール EXTRA STAGE」の対戦動画のコメンタリーに出演していた方ですね。

独自性を出すために「斬サム」に注目して大会を開催されたのだそうです。斬サムファンとしてもうれしい話です。斬サム有名プレイヤーの話も出てきます。

保証金を不要とする「共同経営」方式は、他業種では見たことがなかったので新しく感じました。ゲーセンの商習慣としてはふつうらしいです。

メダルゲームの利益計算式なども新鮮でした。

コロナ禍は2回のクラウドファンディングで乗り切られたとか。このときの収入は課税売上に該当したため、消費税の納税が大変だったとのこと。コロナ特例猶予(分割納付)も受けられたような記述もありました。

しかし、いくつものゲームセンターを潰した、ぜんぜん流行らなかった対戦型格闘ゲーム(2011~2012頃リリース)ってなんだったんだろうな?