税金を気にして支出を増やす/収入を減らすのはもったいない

大きな病院の付き添いで、お世話になる勤務医さんの過酷な仕事ぶりを垣間見ています。

ただそれに対応して、お給料は高いとか仄聞します。比例して税金も高いはずです。

勤め人の方への節税提案はリスク高い

そういう方向けに、節税商品というのが紹介されがちなのですが、おすすめできないものが多いですね。

特に、多額の支出を伴うもの。

副業の損失を、給与所得と損益通算して、源泉徴収された税金の還付を狙うもの。

医師の長時間勤務で、「事業所得」と認められるような他の仕事はできないのではないでしょうか。損益通算のできない、雑所得となるのがオチです。

そもそも、損をして税金の還付を受けても、損をしているので、得していないですよね……。

太陽光発電ビジネスとか、本当に気をつけていただきたいです。

こんな節税の提案を受けたんだけど。というケースでは、実行前に税理士への相談をおすすめしています。

身内間の「安く売ってあげる」もリスク高い

あと、親類から聞いたのは、身内間の不動産売買。

「自分の子どもに売るんだし、安く売ってあげてもいいの? それなら税金もかからないし」という話。

売れるものがあるなら、時価で売ったほうがいいと言っています。

その分老後の生活資金ができて、安心できるじゃないですか。

安く買ったほうは、予測できない贈与税リスクをかかえます。

安く売って「あげた」部分に贈与税が課されます。低額譲受によるみなし贈与といったりします。

自分の子どもだから、安く売るという発想が出てくる。

相手が他人だったら、わざわざ自分の収入を減らすアイデア、思いつきもしないでしょう。

支出を減らそうとする、収入を増やそうとする、そういう方向で将来の安心を買っていただければと思います。


今日の横浜南税法研究会

著名な税理士・笹岡宏保先生の講義をリアルで受講。名義預金について。

仕事を紹介していただいた他の税理士の先生から、「ていねいな対応をしていただいて、ありがとうございました」とほめていただきました。そんなふうに言っていただけると、うれしいものです。