税務調査で修正申告したときのペナルティを計算する

税務調査は、どの会社にも来る可能性はあります。

ふつうは、事前に電話連絡があり、日程を調整して、必要な年分の資料を用意して待っていればいいのですが。

そうでないこともあります。

事前予告のない税務調査

いつもの、映画「マルサの女」は、一度見ておきましょうという話になりますが。

映画のように、内部事情を知る関係者が社長とケンカ別れをし、内部関係者しか知りえない、5W1Hのある具体的なタレコミがあると、事前予告のない調査が入ることがあります。

(不正の証拠は○○で、それは××に隠してある……というレベルの具体性です。このレベルの具体性がない場合、タレコミがあっても税務署は動かない、とものの本には書いてあります)

無予告調査は、マルサ=査察ではなく、通常の実地調査でも行われます。

このような事情がある場合、通常の過去3年分ではなく、5年分さかのぼられることがあります。

よって、会社では、幹部とのケンカ別れは避けたいところです。映画のような話が、本当にあるので。

こういった特別な事情がなくても、税務調査は行われます。

税務調査が入るよくあるパターン

法人は、10年間、過去の赤字を現在の黒字と相殺できます。

一度大きな損失を出すと、その後、決算書上で黒字を出しても、何年も法人税を払わずに済むことがあります。

法人税を払っていないと調査が入らないというわけではありませんが、その間、入りにくくはなります。

翌期以降も相殺できる過去の赤字は、法人税の申告書の一枚目(別表一)の27番「翌期へ繰り越す欠損金額」でわかりますので、社長としてもチェックしておきましょう。

(法人税の申告書は非常に分厚いですが、社長が見て意味のある数字は、この繰越欠損金くらいです。これがあると、今期利益が出ても、税金の負担は小さくなるからです)

ではいつ調査が入る可能性が高まるか。損失を出した後は順調に黒字決算を重ねることができ、この過去の赤字を使い切ったときです。

繰越欠損金があるために、税務署としても長期間未接触となり、また、このタイミングで誤りを見つければ追加の税額を取れることから、選定されやすくなります。

誤りを指摘されたら、ペナルティはいくらか

税務調査で、言い訳のできない誤りを指摘されると、追加の税額を払うことになります。

追加の税額(増差本税といったりします)自体は、もともと払うべき税額だったので、損得はないと考えてよいです。

ただ、それは本来の納期限より遅く払うことになるので、ペナルティ(加算税)が課されます。

基本的には、その増差本税の10%です。10万円の増差本税なら+1万円がペナルティ。

で、増差本税が多額だったり、悪質性が高い場合に該当すると、10%が15%になり、20%になり、25%になり……と増えていきます。

これに、増差本税×年利2.4%の延滞税(遅れて払う分の利子)が通常1年分つきます。(修正申告した日に追加の納税した場合)

結果、12.4%、17.4%、22.4%…といったイメージです。

さらに、いずれも法人の経費にならないので、実際の負担率はもうちょっと上がることになります。

さらにさらに、別途地方税(法人住民税・事業税等)が、法人の所得が増えた分に連動してかかってきます。

最近の税制改正で、率の上乗せがされやすく

最初にお話ししたような、不正が見込まれる場合、映画のように徹底的に調査されて、最も重い重加算税(じゅうか、と略されることも)35%が課されることもあります。

が、最近の税制改正では、マルサの女のようなスーパー調査官がいなくても、徹底的に調査しなくても、重加算税並みにこのパーセンテージが上乗せされるルールに変わっています。

売上を1/3超、1/2超除外しているとか、調査のときにわざと帳簿を見せないとか、そういう悪質性が高いと予想されるケースです。

また、当初の帳簿にない経費を主張しても、否認されるような改正も行われています。

売上も経費ももれなく会計ソフトに入力しておくことが、まずは守りを固めることになります。

反対に、悪質性がないことをアピールできれば、このパーセンテージは下がります。

調査の前に自主的な修正申告をしたり、ひとり社長で人件費のない場合に、freeeの優良電子帳簿の設定をし、届け出ることで、過少申告加算税が5ポイント下がります。

こういう防御力の上げ方もあるのです。

編集後記

中学のとき、マルサの女によく似た髪型と背格好の社会の先生がいました。

また、マイルス・デイビスによく似た塾の先生も……。不思議な縁を感じます。