決算の誤りを見つける

月次決算は、いまの経費のかけ方で利益が出ているのか、が分かる程度でいいのです。

ただ、本決算となると、それなりにきっちりやる必要があります。

とはいえ、決算は期限のある仕事なので、芸術作品のように究極を追求することはできない部分もあります。

そこで、さっとチェックする技術が重要です。

どことなく、お掃除、整理整頓の雰囲気が漂う決算

まずは一気に決算を組んでしまう

決算が正しいかチェックできるようにするには、まずは、いったん形にしてしまうのがよいです。

去年の決算整理仕訳を見つつ、前回同様に処理を進めましょう。

貸借対照表の勘定科目について、金額の内訳が分かっていれば、とりあえずOKです。

内訳の分からないものがないか、マイナス残高のものがないか、など、テーマを決めたチェックを周回して行います。

当初の決算予測と比べる

原価や経費の割合が去年と同じと考えると、売上額が今年このくらい、という情報だけで、利益、ひいては税額まで分かります。

決算の前に行った決算予測の利益の額と比べてみましょう。

いま、仮に組んだ決算の売上、経常利益と大きくかけ離れていないでしょうか?

予測と異なる場合、決算月にいつもと違ったことをしたのか、あるいはいつもの経理処理をし忘れているのかもしれません。

得意先の貸倒れなど、いつもと違う「事件」が決算書に反映されていることを確かめておきましょう。

前回の決算と比べる

会社の決算というものは、今年度、何か変わったことをしなければ、毎年大きくは変わりません。

あくまで、事実が先にあって、それをもとに数字にしただけですので。

勘定科目も、去年使ったものを、今年も使うのが通例です。

科目のリストを2期比較で眺めたときに、去年はあったのに今年ない科目、反対に今年だけある科目が出てきてはいないでしょうか?

また、今期から、新たな店舗を賃貸したのであれば、売上・仕入の増加の他、地代家賃も上昇しているはずです。

家賃以外にも、毎月一定額がかかるものは、月数が3倍増えたら、金額も3倍になっているはずです。

今期の数字を前期の数字で割って算出した倍率分、活動が増えているか、という観点でもチェックしたいものです。

編集後記

午前は耳鼻科、図書館、歯医者。午後は決算の最終チェックをして、Zoom打ち合わせ。

村上春樹『中国行きのスローボート』の40年前に出た単行本を入手して、ちょっと読む。