所得がいくらなら法人化すると有利か概算する

法人成り(法人化)をするかどうか。

税金のメリットだけ考えて選択するのはおすすめしていませんが、いちおう税金についても検討してみましょう。

シミュレーションしてみると、思ったほどメリットがなく、「やめておくか」となったりもしますので。

JR関内駅

消費税の観点

インボイス制度が始まるまでは、法人成りには消費税の免税事業者の期間を長くできるというメリットがありました。

が、個人事業主の時点ですでにインボイス登録しているなら、このメリットはありません。

一方、簡易課税が有利な業種で、「売上が5,000万円を超えてしまい、翌々年度から一般課税になってしまう」という場合には、法人成りすることで、簡易課税の期間を伸ばせる可能性はあります。

お客様からインボイスを要求されないお仕事をしているなら、法人化による消費税メリットはいまだ大きいです。

事業所得を役員報酬で取り切るべきか

よくある法人成りシミュレーションでは、事業所得の額=役員報酬として計算しています。

しかし、そんなことをしたら、会社負担分の社会保険料を払うお金がなくなってしまいます。

役員報酬の年額は、事業所得の額よりざっと15%程度、少なくしてもいいのではないかと思います。

それで、役員報酬+社会保険料会社負担分で、ざっくりですが、利益がなくなることになります。

ただ、会社を5年以上長く続けるつもりなら、生活レベルを落とさない範囲で役員報酬を事業所得より下げて、会社にお金を貯めるのがおすすめです。

5年以上社長をやったあと、退職金で会社に貯まったお金を、退職所得として、低い税負担で回収できるからです。

なお、iDeCoや小規模企業共済など、他に退職所得としてカウントされるものもある場合には、別途検討が必要です。

退職金課税は増税が検討されているので、税金に関するニュースに敏感になっておく必要もあります。

また、経営を続けていると、会社にお金がなくなり、借入が必要なこともあるでしょう。

その場合は、役員報酬を下げて、会社の利益を出し、融資を受ける・返済する余力も出せるようにしておきたいものです。

法人税・住民税・事業税の観点

事業所得がいくらになったら、法人のほうが税金は少なくなるか。

上記の「役員報酬は、ほぼ事業所得」スタイルで行く場合、税金だけで見れば、事業所得300万円くらいから法人税等のほうが少なくなります。

しかし、役員報酬にかかる社会保険料の負担が上昇するため、トータルでは損することが多いのではないかと考えます。

私が概算した限りですと、他の節税方法がない場合でも、事業所得が450万円を超えたら、法人の税・社会保険料の負担が個人より不利になることはなさそうです。

思ったより高いな、とお感じになると思います。

税金だけだと大したメリットはない場合でも、他の方法をいろいろ組み合わせられるなら、それより低くても法人の方が有利という場合もあるでしょう。

例えば、扶養家族分の保険料支払いがなくなる、社会保険の給付が手厚い、将来受け取る年金が増える等。

といっても、法人だから追加でかかる経費もあるので、税金等の観点だけでは危ういです。

あちこちに目配りをして、法人成りのシミュレーションをしてみましょう。

編集後記

ブログ・ホームページサーバーのデータベースをアップグレードしました。

ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』19巻を読み返したりした休日。パトレイバーの頃から好きでしたねー。